JH8CHUのホームページ>電子回路

電子回路


ツェナー・ダイオードによる定電圧電源回路について記載。(2015/02/07)
バイポーラ・トランジスタのバイアス回路について記載。(2015/03/07)
エミッタ接地トランジスタ増幅回路(交流負帰還なし)について記載。(2015/03/20)
エミッタ接地トランジスタ増幅回路(交流負帰還あり)について記載。(2015/04/01)
電流増幅付きツェナー定電圧電源回路について記載。(2015/06/01)
トランジスタによる帰還増幅型定電圧電源回路について記載。(2015/07/16)
整流回路の動作について記載。(2021/09/01)
  1. 増幅回路の基礎概念(工事中)

    1. dB(デシベル)

    2. CR回路の周波数特性
      電子回路では、下図のようなCR回路によるローカット・フィルタがよく現れます。
      このCR回路の入力電圧をvi、出力電圧をvoとします。
      (vi、voは静止ベクトル表示です。)



      カットオフ周波数をfcとすれば、
      fc = 1/(2π * C * R)

    3. RC回路の周波数特性
  2. ダイオード(工事中)

    1. 接合型ダイオードの動作原理
      • 半導体
        電気伝導率の違いから分類されるが、明確な境目があるわけではない。
        乱暴に言えば、金属などの電気を通しやすいものは「良導体」、
        ガラス・ゴムなど電気を通しずらいものは「絶縁体」、
        その中間が「半導体」である。
        この基準に従えば、例えば「抵抗器」は半導体の一種になるが
        通常、「抵抗器」は半導体に含めない。

      • W族半導体
        トランジスタの主材料として最も用いられているのは珪素(Si:シリコン)であるが、
        最初に実用化されたのはゲルマニウム(Ge)である。
        これらは周期律表のW族に属していることからW族半導体と呼ばれる。
        この他に、化合物半導体と呼ばれるものが多数ある。
        例えば、マイクロ波回路などでよく用いられるガリウム砒素(GaAs)などがある。

      • 真性半導体
        半導体の材料は、トゥエルヴ・ナインと呼ばれ、99.9999999999%と
        9の数が12個並ぶ程の純度が要求される。また純度が高いだけでなく
        原子の結晶の配列が規則正しいことも必要である。
        不純物を含まず原子の結晶配列が規則正しいと、シリコンやゲルマニウムの
        最外殻電子は4個であるため、隣の原子との間で正確に4対の共有結合を
        生じるため安定になり、自由に動ける電子がなくなるため、
        電気抵抗はかなり高くなる。
        このように不純物を含んでいない半導体を真性半導体とゆう。
        しかし、トランジスタのように増幅作用を実現するためには、
        真性半導体に意図的に不純物を加えることにより実現される。
        【この項目は説明不足】

      • P型半導体
        シリコンやゲルマニウムの真性半導体にホウ素(B)などの不純物を加えた場合、
        シリコンやゲルマニウムの最外殻電子は4個であるにもかかわらず、
        ホウ素原子の外郭電子は3個であるため、共有結合のための電子が不足する。
        このため、共有結合の
      • N型半導体

      • PN接合

      • シンボル


      • ダイオードの形状例
        色のマークがついた端子がカソード(K)側。



    2. ダイオードの静特性
        (1)静特性測定回路


        (2)静特性グラフ
        ダイオードの電圧(VBE)−電流(ID)特性は
        下記の式で表されます。この式は、理論と実験とでよく一致する
        と言われていますが、理論的に導出するためには素粒子力学に関する
        かなりの知識が要求されます。(^_^;;

        ID = Io * {exp((q/kT)*VBE) − 1)}

        ここに、
        Io: 逆方向飽和電流
        q: 電子の電荷 (1.60×10-19 [C]
        k: ボルツマン定数 (1.38×10-23 [J/K]
        T: 絶対温度
        を示します。
        この式をグラフで書くと下図のようになります。


    3. ダイオードの近似モデル


    4. ダイオードの種類
      • 整流用ダイオード
      • 発光ダイオード(LED)
      • ショットキー・バリア・ダイオード
      • ツェナー・ダイオード
          (1)シンボル


          (2)特性


          詳細はこちら(工事中)

      • 可変容量ダイオード(バリキャップ、バラクタ)
      • フォト・ダイオード
      • PINダイオード

  3. 電源回路

  4. 商用電源の交流から電子回路に必要な直流電圧を生成する回路が電源回路です。
    最も簡単な電源回路は、変圧器、整流回路、平滑回路から成ります。

    1. 整流回路

    2. 平滑回路(工事中)

    3. 半波整流による電源回路(工事中)

    4. 全波整流による電源回路(工事中)

    5. ブリッジ全波整流による電源回路(工事中)

    6. 倍電圧整流(工事中)

  5. バイポーラ・トランジスタ(工事中)

    1. シンボル
      一般的には、トランジスタと言えば、大きくバイポーラトランジスタと
      電界効果トランジスタ(FET)の二種類がありますが、通常単にトランジスタ
      と言えば、バイポーラ・トランジスタのことを指します。
      バイポーラ・トランジスタには基本的にNPN型とPNP型の二種類があります。
      シンボルは下図のようになり、コレクタ(C)、ベース(B)、エミッタ(E)と
      名付けられた3本の電極を持ちます。
      NPN型とPNP型とでは、電流の流れる方向が逆となります。


      部品としては、この他に、1個のパッケージに複数のトランジスタを作りこん
      だものや、抵抗器なども作りこんだものが販売されています。

    2. バイポーラ・トランジスタの構造
      バイポーラ・トランジスタはN型半導体とP型半導体を、下図のようにNPNまたはPNPの
      構造に組み合わせたもので、3本の電極を持ち、エミッター、ベース、コレクターと
      名前がつれられています。それぞれの電極名は、しばしば、E、B、Cと略記されます。
      NPN型とPNP型とでは電流の向きが逆になるだけなので、以下の説明では
      NPN型トランジスタを例に説明をします。



    3. バイポーラ・トランジスタの動作原理
      接合部は、ふたつあるので、それぞれの接合部に順方向バイアスまたは逆方向バイアスを
      かけるとすれば、組合わせとしては4通りあり、各組合わせは次のように呼ばれます。
      エミッター・ベース間接合ペース・コレクター間接合呼び方
      順方向バイアス(VBE>0) 順方向バイアス(VCB>0)飽和領域
      順方向バイアス(VBE>0) 逆方向バイアス(VCB<0)能動領域
      逆方向バイアス(VBE<0) 順方向バイアス(VCB>0)逆接続
      逆方向バイアス(VBE<0) 逆方向バイアス(VCB<0)遮断領域

      • 能動領域における動作
          最初、電源Vccのみ接続します。
          ベース〜コレクタ側のPN接合にとって電源Vccは逆方向バイアス
          となるため、ベース〜コレクタ間に電流は流れません。


          次に、電源VBBを接続します。
          VBBはエミッタ〜ベース側のPN接合にとっては順方向バイアス
          になるため電流が流れ、その電圧=電流特性はPN接合の指数関数
          特性で近似できる特性を示します。


          ところで、エミッタのキャリア濃度はベータのキャリア濃度より
          はるかに多いため、多数キャリアの電子は、一部が少数キャリア
          である正孔と結合し消滅しますが、大部分の電子は
          エミッタ〜ベース側のPN接合部を超えてベース領域に到達します。
          ところが、ベースは非常に薄く作られているため、
          電子はベース〜コレクタ側のPN接合に達し、更に
          コレクタ領域に流れ込み、コレクタ電流となります。
          すなわち、Vccにより逆方向バイアスのかかっている
          コレクタ〜ベース間に電流が流れるようになります。
          そして、エミッタから流れ込む電流の大部分がコレクタ電流
          となります。


          エミッタ電流IEのうちコレクタ電流Icとなる割合を
          αで表します。すなわち、
          α = Ic/IE
          αは0.95〜0.999位の値になります。
          そして、Icの値はVccにほとんど関係なくIBのみで決まります。
          結局、小さな電流IBで大きな電流Icを制御することが出来、
          トランジスタは電流増幅作用があることになります。

          回路設計ではαより、電流増幅率βの方がよく使われます。
          βはIc/IBで定義されます。よって、
          β = Ic/IB = Ic/(IE - Ic) = IE * α/(IE - IE * α)
          ∴β = α/(1 - α)

          また、βはhFEと表されることもあります。

        • 基本的な関係式
          IE = IB + IC
          IC = hFE*IB
          VBE ≒ 0.7V
          hFE ≒ hfe


      • 飽和領域における動作
      • 遮断領域における動作
      • 逆接続における動作

    4. 接地方式
        増幅回路は、一般に4端子回路ですが、トランジスタは3端子であるため
        どれかひとつの電極を共通にしなけれぱなりません。
        共通端子をひとつ決めると、入力と出力の選び方から単純に考えると
        6通りの組み合わせがありますが、実用になるのは3通りだけです。
        共通端子入力端子出力端子名称接続 簡易等価回路(小信号動作時)
        エミッターベースコレクターエミッター接地
        コレクターベース実用的でない
        コレクタベースエミッタコレクター接地
        エミッターベース実用的でない
        ベースエミッターコレクターベース接地
        コレクターエミッター実用的でない

    5. エミッタ接地の静特性
      • 4端子回路と静特性
        トランジスタを4端子(2端子対)回路として見た場合、その特性を表すためには
        一般的には4つの特性で表現します。


        (1)入力特性
         エミッタ接地の場合は、入力はベース〜エミッタ間となるため
         ベース・エミッタ間の電圧VBEとベース電流IBとの関係となります。

        (2)出力特性
         出力はコレクタ〜エミッタ間となるため、コレクタ〜エミッタ間の電圧VCE
         コレクタ電流ICとの関係となります。

        (3)入力から出力への伝達特性
        4端子回路として単純に考えると、入力としては電圧または電流を使うことが考えられ、
        出力も電圧または電流が考えられるので、全部で4通りの表現方法が考えられますが、
        回路の特徴を最もよく表す組み合わせが使われます。バイポーラ・トランジスタとしては、
        通常、入力電流と出力電流の関係が用いられます。すなわち、エミッタ接地の場合は
        ベース電流IBとコレクタ電流Icとの関係が用いられます。
        (まれに、ベース〜エミッタ間電圧VBEとコレクタ電流Icとの関係が
        用いられることもあります。)

        (4)出力から入力への伝達特性
        バイポーラ・トランジスタとしては、コレクタ〜エミッタ間電圧VCE
        入力電流IBとの関係が該当しますが、影響が小さいため、通常は無視して
        問題ありません。

      • 静特性測定回路
        上記の特性を具体的に測定する場合の回路は下図となります。


      • IB-VBE特性
        ベース〜エミッタ間のPN接合に対する順方向特性となるため、
        ダイオードと同じ特性になります。


      • IB-Ic特性
        コレクタ電流(Ic)はベース電流(IB)に比例し、
        その比例定数はhFEとなるため、IB-Ic特性のグラフは
        直線となります。

        数式で表現すると
        Ic = hFE * IB
        となります。
        Icが最大定格に近くなるような大電流を流すと
        直線から外れてきます。
        また、トランジスタが飽和した場合、IBを増加させても
        Icは増加しなくなります。

      • VCE-Ic特性
        コレクタ電流(Ic)はベース電流(IB)で決まるため
        コレクタ電圧(VCE)を変えてもほとんど変化しません。
        よって、理想的にはペース電流(IB)が一定なら、
        コレクタ電流(Ic)は水平なグラフになります。
        しかし、実際にはコレクタ電流(Ic)のグラフはやや右上がりの
        傾いたグラフとなります。


      • 上記三つの特性のグラフはしばしば下図のようにひとつのグラフで
        表現されます。第一象限がVCE-Ic特性、第二象限がIB-Ic特性、
        第三象限がIB-VBE特性ですが、 第三象限のグラフは上記とはIBとVBE
        位置が逆のためグラフは90度回転していることに注意しましょう。


    6. ペース接地の静特性

  6. バイポーラ・トランジスタのバイアス回路

    (2015/03/07)
    トランジスタで交流信号を増幅する場合、交流信号を歪無く増幅するために
    トランジスタにあらかじめ適当な直流電圧を印加しておきます。
    この直流電圧のことをバイアス電圧と呼び、バイアス電圧を印加するための
    回路をバイアス回路と呼びます。

    下図はバイアス電圧の概念です。
    ベースに直流電圧を印加するための電源Vbbによりバイアスがかけられています。
    Rcは出力電圧を取り出すための抵抗で、負荷抵抗と呼びます。


    この状況を静特性のグラフで見ると下図のようになります。
    まず、VBE-IB特性のグラフではベース電圧がVbbとなりベース電流Ib0が流れます。
    ちなみに、静特性グラフ上のバイアスで決められた点を動作点と呼びます。


    次に、IB-Ic特性のグラフではベース電流Ib0によりコレクタ電流Ic0が流れます。


    最後は、VCE-Ic特性グラフですが、Rcがあるためにコレクタの電圧VCE0
    下記の式で決まります。

    VCE0 = Vcc - Rc×IC0

    この点は、VCE-Ic特性グラフ上ではVCE=Vcc、Ic=Vcc/Rcの2点を結ぶ直線を引き
    (負荷直線と言います。青色で示しました。)、この直線とIB=IB0の線との交点が
    動作点となります。


    バイアス回路の具体的な例を下図に示します。
    このバイアス回路は電流帰還バイアス回路と呼ばれています。


    バイアス電源Vbbはコレクタの電源Vccと別に用意するのは無駄なので、
    R1とR2により分圧して生成しています。
    R1とR2に流す電流はブリーダ電流と呼び、IBの10倍位に設定することにより
    IBが変化してもV2が変化しないように値を選定します。

    また、REは直流的に負帰還をかけて動作点を安定させるために挿入されています。
    トランジスタは温度に敏感であり、特にVBEは温度の影響を大きく受けるため、
    温度変化により動作点を動かなくする働きがあります。
    (ダイオード(PN接合)の電流の式 に絶対温度(T)の項があることを確認しましょう。)

    REの動作を定性的に考えてみます。
    温度変化などの理由でIcが大きくなったとします。
    そうするとIEも増加しますが、この結果REの両端の電圧VEは上昇します。
    一方、上記で述べたように、V2はR1、R2によりほぼ一定に保たれています。
    この結果、VBE=V2-VEであるためVBEは小さくなります。
    VBEが小さくなるとIBが減少し、Icの増加を抑えます。
    これら一連の動作は、直流的には負帰還動作しているとゆうことになります。


    次に、下図のように、トランジスタにバイアスがかかっている状態で直流電圧Vbbに
    交流電圧vbを重畳させると、ベース電流も変化します。その変化分をibとします。


    IB-VBE静特性上では動作点を中心として、交流信号の変化に従ってグラフ上を
    瞬時値が動きます。ベース〜エミッタ間電圧は直流電圧Vbbに交流電圧vbを重畳した波形となり、
    ベース電流は直流電流IB0に交流成分のibを重畳した波形になります。


    IB-Ic静特性上では動作点を中心として、交流信号の変化に従ってグラフ上を
    瞬時値が動きます。コレクタ電流は直流電流IC0に交流成分のicを重畳した波形になります。


    VCE-Ic静特性上では負荷直線上の動作点を中心として、交流信号の変化に従って
    瞬時値が動きます。コレクタ電圧は直流電圧Vccから負荷抵抗の両端の電圧降下である
    vc=Rc×Icを引いたものになりま。このため、vcの波形はvbとは180度位相が逆になります。


    実際の増幅回路の例を下図に示します。
    交流の入力信号vsは、直流を遮断し交流のみを印加できるよう
    コンデンサCiを通してベースに接続します。
    また、出力voも直流を遮断し交流のみを取り出せるようコンデンサCoを
    経由して取り出します。
    エミッタの抵抗REに並列に接続されたコンデンサCEはバイパス・コンデンサ
    と呼ばれ、エミッタの端子を交流的に接地するために接続されています。
    回路によっては、CEを接続しないこともあります。(交流負帰還動作となります。)


    増幅の用途においては、バイアス点をわざとずらして(深くして)、信号の波形を
    意図的に歪ませることがあります。
    このため、バイアスの深さにより、A級増幅、B級増幅、C級増幅、D級増幅、
    などの用語が用いられることがあります。(別途、記載予定)

  7. トランジスタのhパラメータ(工事中)

    1. hパラメータ
      エミッタ接地回路の静特性グラフ から判るように、トランジスタの特性は
      非線形な特性となります。しかし、このままでは解析には不便なので
      トランジスタに適当なバイアス 電圧を加え、かつ、信号の振幅が
      小さい場合は、線形な動作をするものとして、近似して扱います。

      線形な動作をすると仮定したトランジスタの3本ある端子の1つを共通(接地)端子とし、
      2本の入力端子と2本の出力端子とから構成される四端子回路と見なします。
      そして、下図のように入力電圧をvi、入力電流をii、出力電圧をvo、出力電流をioとします。
      ちなみに、一般的に、交流の電圧と電流は小文字で表現し、
      電流は回路に流れ込む方向をプラスに取ります。


      四端子回路の特性を表現する方法はいくつかありますが、バイポーラ・トランジスタでは
      低周波ではhパラメータ、高周波ではyパラメータが使われます。

      hパラメータで四端子回路を表現したとき、入出力の電圧、電流はhパラメータの
      定義により、次のような式で表されます。
      vi = hi×ii + hr×vo ・・・@
      io = hf×ii + ho×vo ・・・A

      ここで、各パラメータの物理的な意味を考えてみます。
      まず、出力端子を短絡します。hパラメータは交流動作に対する特性なので
      出力を直接短絡すると直流的に問題がある場合は、交流的に短絡すると考え
      大容量のコンデンサで短絡する、と考えましょう。そうするとvo=0です。


      従って、@式とA式は以下のようになります。
      vi = hi×ii ・・・B
      io = hf×ii ・・・C

      B式よりただちに、hi=vi/iiです。
      電圧を抵抗で割るのでhiの単位は[Ω]です。そして、入力電圧と入力電流の比
      なので、hiは入力端子からこの四端子回路を見たときの入力インピーダンスを
      表しています。

      C式よりただちに、hf=io/iiです。
      出力端子を短絡してもioは流れます。そして、hfは出力電流と入力電流の比を
      表しているため、この四端子回路の入力から出力への伝達関数を表しています。
      そして、hfは無次元のパラメータです。

      次に、@式、A式において、入力端子を開放します。


      するとii=0ですので、
      vi = hr×vo ・・・D
      io = ho×vo ・・・E

      D式よりhr = vi/voです。hrは出力側から入力側への伝達関数を表しています。
      四端子回路では入力から出力へ一方的に信号が流れていくように感じますが、
      一般的には出力電圧(または電流)が変化すると、その変化が入力側の電圧
      (または電流)の変化をもたらします。この出力側から入力側への伝達関数が
      hrです。hrは無次元のパラメータです。

      最後にhoです。E式よりただちにho=io/voです。
      電流を電圧で割るのでhoの次元は抵抗の逆数で、単位は[S](ジーメンス)です。
      hoは出力電流と出力電圧の関係を表しているので、出力側からこの四端子回路を
      見たときの出力アドミッタンスを表しています。

      以上のように、4つのパラメータを使って、この四端子回路を入力側から見ると
      どう見えるか(hi)、出力側から見るとどう見えるか(ho)、入力を変化させると
      出力がどのように変化するか(hf)、出力を変化させると入力がどのように
      変化するか(hr)を表すことが出来ます。

      hパラメータは、hi、hr、hf、hoの四つから成りますが、トランジスタでは
      接地方式が3通りありますので、 例えばエミッタ接地の場合のhパラメータは
      更に、パラメータの最後に「e」の文字を付けて、hie、hre、hfe、hoeの四つの
      パラメータで表現します。すなわち、トランジスタをこの四つのパラメータで
      表現される四端子回路で置き換えて考える、とゆうことになります。

        (1)エミッタ接地のhパラメータ
        エミッタ接地回路の入出力の電圧・電流を下図のように定義します。


        hパラメータhie、hre、hfe、hoeは次の式で定義されます。
        vbe = hie×ib + hre×vce
        ic = hfe×ib + hoe×vce

        すなわち、エミッタ接地回路のトランジスタは下図と等価と見なします。


        (2)コレクタ接地のhパラメータ
        コレクタ接地回路の入出力の電圧・電流を下図のように定義します。


        hパラメータhic、hrc、hfc、hocは次の式で定義されます。
        vbc = hic×ib + hrc×vec
        ie = hfc×ib + hoc×vec

        すなわち、コレクタ接地回路のトランジスタは下図と等価と見なします。


        (3)ベース接地のhパラメータ
        ベース接地回路の入出力の電圧・電流を下図のように定義します。


        hパラメータhib、hrb、hfb、hobは次の式で定義されます。
        veb = hib×ie + hrb×vcb
        ic = hfb×ie + hob×vcb

        すなわち、ベース接地回路のトランジスタは下図と等価と見なします。


    2. hie
      VBE-IB静特性上の動作点における接線は入力電流ibと入力電圧vbeとの比と
      なるためib/vbeはトランジスタの入力側のアドミッタンスに相当します。
      hieはvbe/ibで定義されるので単位は[Ω]になります。

      VBE-IB静特性はPN接合の電圧〜電流の関係式と同じであるため、
      ダイオードと同様に、下記の式で表されます。

      IB = Io * {exp((q/kT)*VBE) − 1)}

      ここに、
      Io: 逆方向飽和電流
      q: 電子の電荷 (1.60×10-19 [C])
      k: ボルツマン定数 (1.38×10-23 [J/K])
      T: 絶対温度

      hieはこの式の接線となるため、上式を微分するとバイアス点における
      等価的な抵抗としてhieが求まります。

      hie = ∂VBE/∂IB = 1/(∂IB/∂VBE)
        = 1/[(q/kT) * Io * exp{(q/kT)*VBE}]

      常温においては、exp{(q/kT)*VBE} >> 1 であることから
      IB ≒ Io * exp{(q/kT)*VBE}

      従って、
      hie ≒ 1/[(q/kT) * IB]
        = (kT/q) / IB

      T=293°K(20℃)のときkT/q≒25[mV]となるので、
      hie = 25×10-3/IB
      hie = 1 / [40 * IB]

      また、Ic = β * IBなので、
      hie = 1 / [40 * Ic / β]
        = β / [40 * Ic]
        ≒ β / [40 * IE]  (β>>1とした)

    3. hfe
      IB-Ic静特性上の動作点ではグラフがほぼ直線となり、かつ直線は原点を通るため、
      直流電流増幅率(hFFE=僮c/僮B)と 交流電流増幅率(hFE=ic/ib)はほぼ同じ値となります。
      hfeは無次元の値です。


    4. hoe
      VCE-Ic静特性上では、ベース電流一定の条件でコレクタ〜エミッタ間電圧VCE
      変化させた時のコレクタ電流(Ic)の変化の比僮c/儼CEがhoeとゆうパラメータになります。
      hoeは抵抗の逆数なのでアドミッタンスです。よって単位は[S](ジーメンス)です。
      1/hoe[Ω]はRcより大きいため近似のためには無視することがよくありますが
      一般的には必ずしも無視出来るほどの差はないです。


    5. hre
      コレクタ電圧vceを変化させたときのベース電圧vbeの変化の比(vbe/vce)をhreと言います。
      エミッタ接地においてはhreはたいへん小さく低周波では0と考えて問題ありません。
      hreは無次元の値です。
      高周波回路においては、トランジスタ内部の容量によりコレクタからベースに
      信号が戻るため、hreは無視できなくなります。【高周波につては別途検討】

    6. 3つの接地方式とhパラメータの変換
      エミッタ接地、コレクタ接地、ベース接地のそれぞれのhパラメータは
      下記の表のように互いに変換可能です。
      表の値はいずれも近似式です。
      接地方式備考
      ベース接地hibhie/(1+hfe)-hic/hfc
      hrbhie*hoe/(1+hfe)-hrehrc-hic*hoc/hfc-1 
      hfb-hre/(1+hfe)(1+hfc)/hfc 
      hobhoe/(1+hfe)-hoc/hfc 
      コレクタ接地hichiehib/(1+hfb)
      hrc1-hre1 
      hfc-(1+hfe)-1/(1+hfb) 
      hochoehob/(1+hfb) 
      エミッタ接地hiehichib/(1+hfb)
      hre1-hrehib*hob/(1+hfb)-hrb 
      hfe-(1+hfc)-hfb/(1+hfb) 
      hoehochob/(1+hfb) 

      なお、上記の計算にあたっては、下記の関係式を用います。
      vbe + vec + vcb = 0
      ib + ie + ib = 0
      veb = -vbe, vce = -vec, vbc = -vcb
      vbe << vcb ≒ vce

  8. バイポーラ・トランジスタの等価回路(工事中)

    静特性で見たように、トランジスタの特性は本来、非線形であるため
    このままでは解析が出来ません。
    そのため、回路によっていくつかの近似的なモデルを使い分けます。
    増幅回路の場合は、線形近似であるhパラメータやyパラメータが
    使用されます。
    静特性から得られるhパラメータは、直流的な測定から得られるため
    信号の周波数が低い場合は十分な近似が成り立ちますが、
    信号の周波数が高くなると、トランジスタ内部の静電容量の影響が
    現れてくるため、等価回路にも静電容量のあるものが必要になります。

    1. 小信号等価回路
      以下の記述において、
      γ = 25/IE[mA] [Ω]
      β = hFE(直流電流増幅率)
      α = β/(β + 1)
      とします。


    2. 高周波回路の等価回路(Yパラメータ)
    3. パルス回路の等価回路


    4. エバース・モル・モデル

  9. エミッタ共通トランジスタ増幅回路(交流負帰還なし)

    1. 回路図
      実際のトランジスタ増幅回路は下図のようになります。


    2. 回路の動作
      トランジスタのエミッタ端子を入力と出力の共通端子とすることから
      エミッタ共通増幅回路、またはエミッタ接地増幅回路といいます。
      入力信号viはベースに印加し、出力はコレクタから取り出します。
      viによりトランジスタのベース電流ibが変化すると、このベース電流の変化は
      トランジスタの電流増幅作用によりコレクタ電流icの変化となりますが、
      この際、icの変化はibの変化のhfe倍となります。
      icの変化は、抵抗器Rcにより電圧の変化となり、カップリング・コンデンサ(Co)
      を経由して増幅器の出力Voとなります。
      なお、エミッタの抵抗REには、バイパス・コンデンサCEが接続されているため
      交流的にはトランジスタのエミッタ端子はグランドに接続されています。
      従って、viはvbeと同じになります。このようにCEを接続した場合
      交流負帰還がかからない動作となります。
      • Rc
          コレクタ電流icの変化を電圧の変化に変換します。
          交流的に見ると、負荷抵抗RLを接続した場合、
          RLはRcと並列接続となるので、コレクタ電流icの変化により発生する
          電圧の変化Voはic*(Rc//RL)となります。
          後述の等価回路も参照してください。

      • R1、R2、RE
          トランジスタにバイアス電圧をかけて、入力信号を歪無く増幅する働きがあります。
          R1とR2は、ベース電圧を一定にすることにより、REと共にトランジスタの
          直流バイアス点を安定にする働きがあります。
          R2に流れる電流はブリーダ電流と呼ばれ、トランジスタのベースに
          流れる電流IBの10倍を目安に値を決めます。
          このようにすると、ベースに流れる電流が多少変化しても
          ベースの直流電圧をR1とR2とでVccを分圧したほぼ一定の電圧に
          することが出来ます。

          REは、直流バイアス電圧の変化に直流負帰還をかけ、
          バイアス点(動作点)を安定化します。
          例えば、温度などの影響で直流電流IEが増加したとします。
          IEが増加すると、REの両端の電圧が上昇します。
          ベースの電圧はR1とR2によりほとんど一定であるため、REの両端の
          電圧が上昇するとトランジスタのVBEが減少します。
          VBEが減少するとIEが小さくなるため、結局IEの変化が小さくなります。
          また、REは個別のトランジスタのバイアス点の安定のみならず
          トランジスタの特性のバラつきに対して、バイアス点を一定以内に
          抑える効果もあります。

          RE、R1、R2によるバイアス回路の詳細については、
          バイポーラ・トランジスタのバイアス回路も参照してください。

      • Ci、Co
          Ciはこの増幅器の入力信号源からの信号をトランジスタのベースに
          伝達する一方、この増幅器と信号源とを直流的には分離し、動作点が
          信号源の回路の影響を受けないようにします。
          Coは、この増幅器の出力信号を次段に接続される負荷に伝える一方、
          この増幅器と次段とを直流的には分離し、本増幅回路の動作点が
          変化しないようにします。
          このような働きのコンデンサをとくに「カップリング(結合)・コンデンサ」
          と呼んでいます。

      • CE
          エミッタに接続された抵抗REに信号電流が流れないようにバイパスします。
          このため、このような働きを目的としたコンデンサをバイパス・コンデンサ
          (パスコン)と呼んでいます。
          もし、このコンデンサがないと、エミッタ抵抗REの両端には
          コレクタに流れる出力電流icにより交流電圧が発生しますが、
          この発生した交流電圧は、ベースの電圧を変化させます。
          (vi = vbe + iE * RE。詳細は負帰還ありのエミッタ接地回路を参照)
          このため、出力電圧の一部が入力に戻されるようになり
          交流負帰還になります。
          この回路では交流負帰還が発生しないようにバイパスコンデンサCE
          接続しています。

    3. 回路の交流等価回路
      回路図を変形しながら、 増幅回路の交流等価回路を求めると下図のようになります。


    4. 入力インピーダンス
        Zi = R1 // R2 // hie

        ここで、//は並列接続の記号で、R1//R2 = R1*R2/(R1 + R2)の意味です。

        hieの概算式を使うと
        Zi ≒ R1 // R2 // [1/(40*IB)]
          = R1 // R2 // [β/(40*Ic)]
          ≒ R1 // R2 // [β/(40*IE)]


    5. 出力インピーダンス
    6. 電圧増幅度

    7. 入力側カップリング・コンデンサCiの影響
        CiはR1、R2、hieとともにローカットフィルターを形成します。
        そのカットオフ周波数をfciとすれば、
        fci = 1/(2π * Ci * R)

        ここにR = R1 // R2 // hie
        を表します。

    8. 出力側カップリング・コンデンサCoの影響
        Coは負荷抵抗RLとともにローカットフィルターを形成します。
        そのカットオフ周波数をfcoとすれば、
        fco = 1/(2π * Ci * RL)

    9. バイパス・コンデンサCEの影響
        CEはhieとともにローカットフィルターを形成します。
        そのカットオフ周波数をfceとすれば、
        fce = hfe/{2π * CE * hie}

        hieに概算式を使用すると、
        fce = 20 * Ic /[π * CE]

        となります。

  10. エミッタ共通トランジスタ増幅回路(交流負帰還有り)

    1. 回路図
        エミッタ接地増幅回路のエミッタ抵抗に並列に接続されていたパスコン(CE)を
        取り外した形になります。このようにすると、REにより直流と交流の
        両方で負帰還がかかるようになります。


    2. 等価回路

    3. 入力インピーダンス
        Zi = R1 // R2 //(hie + β*RE)

        ここで、hieは下記の概算式が使えます。
        Zi ≒ R1 // R2 // [1/(40*IB) + β*RE]
          = R1 // R2 // [β/(40*Ic) + β*RE]
          ≒ R1 // R2 // [β/(40*IE) + β*RE]


        hie << RE * (hfe + 1)と見なせるときは
        Zi ≒ R1 // R2 // (β*RE)

        更に、R1//R2 << β*REと見なして
        Zi = R1 // R2

    4. 出力インピーダンス

    5. 電圧増幅度

    6. 入力側カップリング・コンデンサCiの影響
        CiはR1、R2、hie、REとともにローカットフィルターを形成します。
        そのカットオフ周波数をfciとすれば、
        fci = 1/(2π * Ci * Zi)

        ここにZi = R1 // R2 // [hie + (β+1) * RE]
        を表します。

    7. 出力側カップリング・コンデンサCoの影響
        Coは負荷抵抗RLとともにローカットフィルターを形成します。
        そのカットオフ周波数をfcoとすれば、
        fco = 1/(2π * Ci * RL)


  11. コレクタ接地(エミッタ・フォロワー)(工事中)

    1. 回路図
        別名、コレクタ共通回路とも言います。
        また、一般的にはエミッタ・フォロワーと言われています。


    2. 等価回路

    3. 入力インピーダンス
        Zi = RB//(hic + β*R)

        ここに、
        RB = R1//R2
        R = RL//RL
        です。また、RLは次段の回路の入力インピーダンスです。

    4. 出力インピーダンス

    5. 電圧増幅度
        Av = (β+1) * R/[(β+1) * R + hic]

        ここに、
        R = RE//RL
        です。また、RLは次段の回路の入力インピーダンスです。

        ここで、β>>1であることと、hic≒β*γ(γ=1/[40 * IE])の近似式を使うと、

        Av = R/(R + γ)

        更に、R>>γである場合は、

        Av ≒ 1

        となります。

    6. 入力側カップリング・コンデンサCiの影響
        後報

    7. 出力側カップリング・コンデンサCoの影響
        後報

  12. 段間結合回路

    1. コンデンサ結合
    2. トランス結合
    3. 直結回路(DC結合)

  13. FET(Field Effect Transistor:電界効果トランジスタ)(工事中)

    FETには大きく分けて接合型とMOS型(「モス型」と読む)のふたつのタイプがあります。
    更にそれぞれPチャネルとNチャネルのタイプがあります。
    いずれのタイプも3本の電極を持ち、ドレイン(D)、ゲート(G)、ソース(S)と
    名付けられていますが、中にはゲートを2本持つものもあります。
    この場合電極は4本になります。

    1. 接合型FET
      • シンボル
        接合型FETのシンボルを下図に示します。


      • 構造
        Nチャネル・タイプの接合型FETの構造を下図に示します。
        ドレイン〜ソース間のN型領域に電流が流れますが、これに対して
        P型領域であるゲートに逆方向バイアス(VGS)を印加することにより、
        ドレイン〜ソース間に流れる電流(ID)を制御します。
        ゲートにはほとんど電流が流れないのでIS=IDです。



      • 動作と静特性
        最初にゲート電圧(VGS)が0の場合を考えます。
        Nチャネル内はソース電極からドレイン電極に向かって電圧が高くなるため、
        ゲートが接続されているP型領域に対して逆方向バイアスが発生し
        PN接合にはキャリアの無い空乏層が形成されます。この段階では
        Nチャネルを流れる電流に空乏層の影響が出ないため、IDはVDSに比例します。
        この領域をオーミック領域と言います。



        VDSをだんだん高くしていくと空乏層が次第に広がっていきます。
        そして、やがてNチャネルの幅を狭くしていくため電流が流れづらくなります。
        VDSがピンチオフ電圧Vpに達すると、もうそれ以上VDS
        を高くしてもIDが増加しなくなります。
        このときのドレイン電流IDSS飽和電流と呼び
        この領域の特性を飽和領域と言います。


        以上の動作をVDSとIDのグラフに表すと下図のようになります。



        次にVDSをVp以上に保ち(すなわち飽和領域の状態)、VGS
        マイナス方向の電圧を印加します。PN接合の空乏層の幅はさらに
        狭くなるためIDは減少します。VGSを大きくしていくと、は
        ついにチャネルが完全に閉じてしまい、ID=0となります。
        この状態をカットオフといい、このときのVGS
        ピンチオフ電圧と言います。ピンチオフ電圧はVpとなります。








      • バイアス回路


      • 静特性測定


      • 等価回路

    2. MOS型FET
      • 後報



  14. FET増幅回路

  15. 負帰還増幅回路(工事中)

    1. 負帰還の特徴
        (1)
        (2)

    2. 原理図


    3. 負帰還の詳細はこちら(工事中)。

  16. 発振回路(工事中)

    1. 発振条件
        (1)
        (2)

    2. 原理図

    3. 発振回路の詳細はこちら(工事中)。
  17. リニア安定化電源回路

    1. ツェナー・ダイオードによる定電圧電源回路
        (1)回路図


        (2)回路動作

        回路動作の詳細は こちら。(2015/02/07)

    2. 電流増幅付きツェナー定電圧電源回路
        (1)回路図


        (2)回路動作

        回路動作の詳細は こちら。(2015/06/01)

    3. トランジスタによる帰還増幅型定電圧電源回路
        (1)回路図


        (2)回路動作

        回路動作の詳細は こちら。(2015/07/16)

    4. 過電流制限回路(ここには書かない?)
    5. 直流増幅回路による誤差増幅
    6. 3端子レギュレータ

  18. 電力増幅回路

  19. 高周波増幅回路

  20. 直流回路で使用される回路

    1. 定電流回路

    2. カレントミラー

    3. ダーリントン接続

    4. 差動増幅

    5. 直流負帰還


  21. オペアンプ

  22. スイッチング電源回路

  23. パルス回路・ディジタル回路


JH8CHUのホームページ>電子回路


Copyright (C)2008,2012,2013,2014, 2015, 2020-21 Masahiro.Matsuda(JH8CHU), all rights reserved.