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増幅回路の基礎概念(工事中)
工事中(2016/01/03)
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電子回路では、入力電圧viをコンデンサCと抵抗Rで分圧し、
抵抗の両端の電圧が出力voとなる下図のような回路がよくあらわれます。
この回路はローカット・フィルタ(Low Cut Filter)を形成します。
すなわち、周波数が低くなると出力電圧voは減衰します。
別名微分回路とも呼ばれます。
最初に定性的な動作を考えます。
コンデンサのインピーダンスは1/(ωC)となるためは周波数が
低いときは1/(ωC)>>Rの関係が成り立ちます。
このため、入力電圧viはコンデンサと抵抗の分圧回路で
大きく減衰してしまいます。
次に、周波数が高くなり1/(ωC)<<Rの関係が成り立つ周波数帯域では
ほとんど分圧回路で減衰はしなくなるため
vo ≒ vi
となり、入力はほとんどそのまま出力に現れます。
この、出力が減衰し始める境目の周波数をカットオフ周波数と言います。
カットオフ周波数では1/(ωC)=Rです。
また、出力電圧voは入力電圧viの1/√2(=-3dB)となります。
(と言うか、そのようになる周波数をカットオフ周波数と定義した)
カットオフ周波数を求めるために、voの値を計算します。
viとvoはともに◆静止ベクトル表示です。
vo = vi * R/[1/(jωC) + R]
= vi * R/[R - j/(ωC)]
= vi * R/[exp(-jθ) * √{R2 + 1/(ωC)2}]
= vi * exp(jθ) * R/√{R2 + 1/(ωC)2}
ここに、θ= tan-1[(ω * C)/R]
これによりvoがviの1/√2(=-3dB)になる周波数fcは
1/√2 = R/√{R2 + 1/(ωC)2}
両辺を二乗して
1/2 = R2 /{R2 + 1/(ωC)2}
分母をはらうと
R2 + 1/(ωC)2 = 2 * R2
1/(ωC)2 = R2
両辺の平方根をとって
1/(ωC) = R
∴ω = 1/(C * R)
カットオフ周波数をfcとすれば、ω=2π * fcなので
fc = 1/(2π * C * R)
となります。
カットオフ周波数より低い周波数領域では-6dB/オクターブの割合で
出力が減衰していきます。
また、カットオフ周波数では、出力は急激に減数し始める訳ではなく、
カットオフ周波数より高い周波数から次第に減衰し始めて
次第に減衰の割合が-6dB/オクターブに近づいていきます。
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抵抗RとコンデンサCの位置を入れ換えた下図の回路は
ハイカットフィルター(High Cut Filter)を形成します。
そのカットオフ周波数fcとすれば、
fc = 1/(2π * C * R)
となります。
参考文献
- 簡明電子回路入門(1980 初版)、矢部初男著、槇書店
- 速解電子回路(1996 初版第7刷)、宮田武雄、コロナ社
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