倍電圧整流回路の動作

1. 倍電圧整流回路とは

入力となる交流電圧の最大値に対して2倍の直流電圧を
得ることの出来る回路です。
倍圧整流回路と呼ぶこともあります。



2. 倍電圧半波整流回路

1. 回路と概要
コンデンサー:C1の極性に注意しましょう。
コンデンサー:C2は平滑コンデンサーです。



2. 半波整流回路の動作

	電流の経路	動作説明
Vi＜0のとき (電源投入時)		ダイオード:D1は導通して、 コンデンサー:C1がVi(max) まで充電されます。 ダイオード:D2は 遮断状態(OFF)です。
Vi＞0のとき		ダイオード:D1は 遮断状態(OFF)になります。 ダイオード:D2は導通して、 コンデンサー:C2と負荷に 電流が流れます。 この時、ViとC1が直列接続に なるため、VdcはVi(max)の 2倍となります。
Vi＜0のとき		ダイオード:D1は導通して、 コンデンサー:C1がVi(max) まで充電されます。 ダイオード:D2は 遮断状態(OFF)です。 負荷(RL)にはC2から 電流が供給されます。




3. 倍電圧全波整流回路

1. 回路と概要
Viが正の半サイクルでC1をVi(max)に充電し、Viが負の半サイクルでC2をVi(max)まで
充電します。負荷電圧VdcはC1とC2を直列に接続したものとなるため、2×Vi(max)と
なります。C1、C2は平滑コンデンサーでもあります。



2. 全波整流回路の動作

Vi＞0のとき		ダイオード:D1は 導通してコンデンサー:C1 をVi(max)まで充電します。 ダイオード:D2は遮断 状態(OFF)です。
Vi＜0のとき		ダイオード:D1は遮断 状態(OFF)です。 ダイオード:D2は 導通してコンデンサー:C2 をVi(max)まで充電します。 C1、C2がそれぞれVi(max) まで充電され、一方負荷(RL) は直列に接続されたC1、C2と 接続されいるため、Vdcは Vi(max)の2倍となります。




4. 関連項目

1. 変圧器の原理
2. ダイオードの静特性
3. 整流回路の動作
4. 平滑回路(コンデンサー入力形)の動作



5. 参考文献

1. 実用電子回路設計ガイド(2002 第16版)、第8章　電源回路、 見城尚志・高橋久共著、総合電子出版社