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読書備忘録 【幻想としての経済】


作成開始(2022/09/20)

  1. 書名

  2. 書名著者出版社発行年購入備考
    幻想としての経済 栗本慎一郎 青土社 昭和57年(1982) 第8刷 1980年代前半    

  3. 全体的なメモ

  4. あとがきには「まだいくつか全く言及していない問題を隠しこんである」と書いてはいるが、
    前著「経済人類学」とともに栗本理論の原論的位置付けになる文献と思われる。
    少なくとも、発行された当時の経済学のパラダイムからは完全に逸脱している内容なので
    既存経済学からは全く受け入れられなかった内容であろう。
    どちらかと言えば、文化人類学や哲学などに近い内容に見えるが、それは知の枠組みの捉え方に
    問題があるからであり、これこそがまさに経済学のあるべき姿なのだろう。
    「経済人類学」でもそうであったが、本書においてもカール・ポランニー、マルセル・モース、
    エルンスト・マッハ、山口昌男などが引用されていることから、彼らの文献も必読であると見て取れるが、
    本書ではさらにジョルジュ・バタイユが多く引用される。
    ところで、栗本理論を理解すためには、カール・ポランニーをまず理解する必要があると
    思ってきたが、実はカール・ポランニーを理解するためには、まずエルンスト・マッハを
    理解する必要があるのかもしれない。
    Xの人口経済学の議論は、後に「パンツを捨てるサル」で発展させられる重要なテーマ。
    (2022/9/20)
  5. 目次・参考文献・キーワードなど

  6. タイトルキーワード・メモ・感想等参考文献  備考  
    1 経済人類学序説





    芸術とは消費である。(中略)
    芸術とはまさに経済学的範疇に
    属するもの(P.40)
    アナクロニズム
     (種村季弘)
    共同幻想論
    経済人類学
    エネルギーとエントロピー
     の経済学

    2 経済人類学の方法



    広義の経済学とは、生物としての
    人間を考え直すことでなければ
    ならない。(P.60)
    経済の分析は文化の解釈と基本的に
    同じでやりかたでなくては
    ならない(P.66)
    大転換
    経済の文明史
    感覚の分析
    経済人類学






    呪われた部分
    共通感覚論
    贈与論
    経済と文明
    3 貨幣のエロティシズム (略)貨幣と護符や呪物との境界は実に
    不分明なものであり(略)(P.93)


    経済人類学
    世界のコイン



    (*1)
    4 制外者の幻想 エロティシズムの根源は(中略)きわ
    めて経済学的なものなのだ(P.135)







    カトリシズム−(魔女狩り)−宗教改革
     −産業革命−市場経済社会(P.186)


    生と再生
     (エリアーデ)
    呪われた部分
    二番煎じものぐさ
     精神分析
    宗教とエロス
     (ヴァルター・シューバルト)
    5 経済人類学は解読する




    生産力の増大が巨大な人口を支える
    ことになるという生産力原因説は
    誤りであることが判る。(P.223)





    ヨーロッパ中世都市は、それ以外
    の社会の都市とは全く違う性格の
    ものである。(P.239)
    この緊張感が日本に独自の文化的
    推進力を与え、日本に能を生み、
    その他の芸能を育て、日本経済の
    推進力たる商事会社の源流をも
    形成し、現在に至っている。(P.242)
    反抗の原初形態
     (青木保訳)
    西ヨーロッパ
     農業発達史
     (速水融訳)
    図説西洋経済史
     (角山栄編著)
    日本経済史への視覚
    近世農村の歴史人口学
     的研究
    歴史のなかの江戸時代
     (以上、速水融)
    人間の経済
    (*2)

    (*1)


    (*1)

    (*3)
    6 遠視のなかの経済人類学



    ・両性具有








    ・社会の本源的定在→普遍的無意識
     →(マナ)→交換および貨幣
     の発動(P.268)






    ・精神のエントロピー
    ・精神分析学者岸田秀によれば、
    人間の共同体は人間の個人と
    同様に精神分析の対象に
    なりうるという。(P.285)
    ・「心性的エネルギー」(P.290)
    学際思考のすすめ
    日本のシャーマニズム
    社会学と人類学
    文化人類学読本

    経済と文明
    今日のトーテミスム
    野生の思考
    変動の社会学
     (N.J.スメルサー)
    社会学の基礎概念
     (M.ウェーバー)
    経済人類学



    貨幣と象徴(吉沢英成)
    貨幣の哲学(ジンメル)
    エソロジーはどういう
     学問か
    エネルギーとエントロピー
     の経済学






    感覚の分析
    経済人類学
    認識の分析(E.マッハ)
















    (*4)
     
    参考文献は本書記載の全てではなく、かつ同じとは限らない。
    ★印は特に重要な文献
  7. 参考・注記


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