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読書備忘録 【経済と文明】


作成開始(2022/01/03)

  1. 書名

  2. 書名著者出版社発行年購入備考
    経済と文明 カール・ポラニー ちくま学芸文庫 2004年 第1刷 2004年11月  

  3. 全体的なメモ

  4. 18世紀の西アフリカに存在したダホメ王国についての研究により、非市場社会の
    制度や原理について考察した文献。文庫化にあたり多少改定してある模様。
    抽象的な内容は少なく、表面的には読みやすいようにも最初は感じるが、
    社会制度に関して詳細に記述されているため、1〜2度読んだだけでは頭に入ってこない。
    訳者まえがきには
    「資本主義社会の原理である市場経済の法則が、その強力な支配力を失い、人類史において
    普遍的な、非市場社会の原理が再び姿をあらわそうとしている陣痛なのだということを
    予言し、また科学的に実証したのがポランニーであった。」(P.12)
    「こうした分析の方法が<中略>どの社会にたいしても有効であることを明らかにした。」(P.17)
    とあるが、現代社会についてどのように応用したらよいのかを理解するのは簡単ではないように
    思う。第2部1章には都市や双分組織に関する記述があり、栗本氏の著書である「光の都市 闇の都市」
    につながる原点と思われる。
    (2022/1/3)
  5. 目次・参考文献・キーワードなど

  6. タイトルキーワード・メモ・感想等参考文献  備考  
    プロローグ
    第1部 ダホメ王国−その歴史的背景
    1章 内陸王朝と
    ベニン分離帯
    −王朝の成立

    2章 奴隷貿易の挑戦
    −王国の展開
    <略>かの名高い「アマゾン」の制度
    となった。乙女の義勇軍からなる
    この大きな精鋭戦力は、宮廷の
    まわりに配置され、<略>(P.084)
    国内商業を望ましくない外部からの
    影響、とくに外国通貨の効果的
    浸透を伴う影響のすべての経路から
    隔防するために<略>(P.084)
    第2部 経済の諸形態−社会における経済的要素の原理
    1章 再配分−経済の
    国家的領域
    男性は実際に働く役人として、
    女性は統制者として働くという
    各段階で対になった官僚構成(P.120)
    双分組織は軍隊にもまたあまねく
    存在した。(P.122)
    王は、叢林の王と都市の王の二重の
    役割を持っていたのである。(P.124)
    2章 互酬−相互扶助
    と協同
    ドックプウェ(互酬的労働集団)
    職能組合ソ
    3章 家族経済
    −土地と宗教
    4章 交換−孤立して
    いた諸市場
    第3部 奴隷貿易−非市場経済の安定性
    1章 ウィダ−貿易港
    の制度的起源
    2章 サヴィ王朝−
    ウィダの君主権
    と条約
    3章 ダホメの貿易港
    −ヨーロッパ
    との窓口
    4章 虚構のヨーロッパ
    貨幣−商品取揃え
    単位の発明
    はじめからずっと例外なく、彼らは
    アフリカ人式に〈現物〉で交換し、
    貨幣は使用しなかったので
    ある。(P.251)
    第4部 古代的経済−結論・非市場社会の普遍的諸制度
    1章 古代的貨幣制度
    −子安貝と
    非市場経済
    子安貝の使用された地域とそれが
    支払いには受け入れられなかった
    地域とは、あたかもその境界が
    行政的権威によって引かれたかの
    ごとく明確である。(P.317)
    多くの古代的取引きは、<中略>
    慣習的な等価物を交換するという
    法令の存在を想定させた。(P.322)
    貨幣が<中略>けっして交換手段
    ではなかったのである。(P.323)
    参考文献は本書記載の全てではなく、かつ同じとは限らない。
    ★印は特に重要な文献
  7. 参考・注記


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