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読書備忘録 【感覚の分析】


作成開始(2023/06/26)

  1. 書名

  2. 書名著者出版社発行年購入備考
    感覚の分析 エルンスト・マッハ 法政大学出版局 1985年4月 第8刷 1980年代中頃    

  3. 全体的なメモ

  4. 兎に角漢字が難しい。(T_T)
    なかには、パソコンで検索して見つからず、漢和辞典にも載っていない漢字もあり、
    たいそう辟易してしまう。/(>_<)\
    翻訳者の廣松渉氏の著作はとくに難しい漢字が多いことで有名らしい。
    しかも350頁もあって分厚いし。orz
    とは言え、ポランニー兄弟やアインシュタインに影響を与えたとするマッハの著書である。
    科学とは、そして学問とは何かを考える上で避けて通れないと思われる著書である。

    「感覚の分析」の本なので感覚に関する様々な実験についての記述があるが、
    一応多少の挿絵があるにしても文章だけではどのような実験なのかにわかには解らない内容も多い。
    (話がずれるが、これらの実験てバーチャル・リアリティに応用出来ないだろうか?)(^^;

    とりあえず二回続けて読んでみたが、ポランニー兄弟とマッハがどのように
    つながっているかを明確に読み取ることは私には出来なかった。orz
    マッハの他書である「認識の分析」を読んでみれば少しは理解が深まるだろうか? (-_-?
    (訳注にしばしば出てくる『認識と誤謬』は「認識の分析」に所収されている模様)
    もっと科学哲学全般についても調べてみる必要があるかもしれない。

    ちなみに、本書を読んでいて思ったことがある。
    エルンスト・マッハを高く評価する経済人類学者 栗本慎一郎氏の研究は経済学(史)から
    経済人類学に移行し、その過程で博覧強記のもと法学、社会学、歴史学、精神分析学、
    宗教学などを次々に取り込んでいった、と言う風に見えていたが、
    実は最初にあったのは哲学に対する興味ではなかったのか?、と。
    (2023/6/26)
  5. 目次・参考文献・キーワードなど

  6. タイトルキーワード・メモ・感想等参考文献  備考  
    1 反形而上学的序説 人性論
    (ヒューム)
    国家(上・下)
    (プラトン)
    認識の分析

    2 いくつかの先入見
    について
    3 私とアヴェナリュウス
    その他の研究者たちの関係
    4 感覚の研究に対する
    主要な着眼点
    (*1)
    5 物理学と生物学、
    因果性と目的論
    6 目の空間感覚 スカパンの悪だくみ
    (モリエール)
    7 空間感覚の立ち入った
    研究
    等速運動は感知されず、感知される
    のは、加速度だけである。
    (P-116)
    (メモ)
    この章の13節(P-120〜125)に
    記載された装置の目的と原理は
    よく理解出来ない。
    8 意思
    9 空間に関する生物学的
    ・目的論的考察
    10 視感覚の相互間ならびに
    他の心理的諸要素との関聯
    このゆえにこそ、練習していない
    者にとっては、遠近法画を描く
    ことが困難なのである。(P-188)
    11 感覚、記憶、聯想 日常生活においてわれわれが物質と
    呼んでいるものは、実は一種の
    要素聯関なのである。(P-199)
    12 時間感覚 同種の動物であっても、身体の
    大きさが異なるに応じて、
    異なった時間尺度をもっている
    らしい、ということを指摘
    しておいた。(P-205)
    13 音響感覚
    14 以上の諸研究が物理学の
    考え方に及ぼす影響
    心理的なものと物理的なものとの
    間に何らの溝渠も存在しない。
    (P-253)
    事実に対する思想の適応、
    これこそがあらゆる自然科学の
    目標である。(P-258)
    一般的三角形−直角三角形でかつ
    同時に正三角形であるような
    一般的三角形なるもの−は表象
    不可能である。(P-261)
    概念とはそもそも出来上がって
    いる表象ではない。(P-262)
    私は、概念の本性は、意識的に
    形成され意識的に適用される
    科学概念に即した方が、日常的
    概念に即すよりも、はるかに
    明白になるという考えである。
    (P-265)
    真に無条件の恒常性などという
    ものは存在しない。(P-269)
    心理学は物理学の補助学である。
    これら二つの領域は互いに
    支え合っており、両者が結合
    されてはじめて完全な学問が
    形成される。(P-276)
    数論の根本的諸命題も経験から
    まったく独立ではないので
    ある。(P-280)
    15 本書に述べた見解が
    どのように受け取られたか
    物質とは感性的諸要素の相対的に
    安定した複合体に対する思想上の
    記号だとみなす私の観方(以下略)
    (P-296)
    私は依然、バークレーやヒューム
    の方が、カントよりはるかに
    整合的な思想家だと看做さざるを
    えない。(P-300)
    参考文献は本書記載の全てではなく、かつ同じとは限らない。
    ★印は特に重要な文献
  7. 参考・注記


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