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読書備忘録 【社会学と人類学】


作成開始(2022/06/16)

  1. 書名

  2. 書名著者出版社発行年購入備考
    社会学と人類学T・U М・モース 弘文堂 昭和58年(1983)初版5刷
    昭和58年(1982)初版2刷
    1980年代中頃   

  3. 全体的なメモ

  4. とっても長くて、しかも内容が難しいので、すごく往生してしまう文献。
    第一部〜第二部がT巻で約400頁、第三部〜第六部がU巻で約150頁。
    贈与論については、岩波文庫とちくま学芸文庫から別訳が出ていて、
    こちらの方が読みやすいかもしれない。

    ・呪術の一般理論の素描
    単にM.モースの「呪術論」とも呼ばれるようだ。
    現代人にとって呪術は神話や宗教よりもとらえどころがないのではないかと思う。
    世界中から収集した呪術の具体例について引用されているが、もちろん呪術を実際に
    やってみよう、という趣旨の内容ではない。(^^;
    呪術にはタブーや細かな取り決め、手順などあり、意外にも科学や技術と似たところがある
    そうだが、もちろん科学や技術と同じでない。
    呪術論のなかで重要なキーワードのひとつはマナ(物の霊?)と思われる。
    だが本稿から何を学び取れるのかは、まだよく解らない。

    ・贈与論
    M.モースの最も有名な著作。
    しかし、注意書きがものすごく多い。(>_<)

    ・心理学と社会学の現実的でしかも実践的な関係

    ・集合体により示唆された死の観念の個人に対する肉体的効果
    呪術や過失により人が人が死んでしまったという報告例がたくさん出てくるが
    自己暗示(?)とかなのか半信半疑である。

    ・人間精神の一つの範疇・人格の概念、《自我》の概念
    ペルソナに言及しているが、C.G.ユングと関係があるのかよく判らない

    ・身体技法

    (2022/06/16)
  5. 目次・参考文献・キーワードなど

  6. タイトルキーワード・メモ・感想等参考文献  備考  
    第一部 呪術の一般理論の素描
    一章 沿革と資料 金枝篇
    二章 呪術の定義
    三章 呪術の諸要素
    四章 呪術の分析と解釈 呪術の概念は、この観点からすれば、
    今日の機械的力の概念に比較できる。
    眼にみえる運動の原因を力と呼ぶように、
    呪力はまさに病気や死、幸福や健康
    といった呪術的効果の原因である。(P.167)
    マナ(P.168〜)
    五章 結論 呪術はそれ故に一つの社会現象
    である。(中略)
    呪術は一方では宗教と、他方では技術
    および科学とのあいだにおいてのみ
    真の親縁性を有する。(P209)
    第二部 贈与論
    序論 贈与、とくに贈物の
    返礼をなすべき義務
    ポトラッチ
    一章 義務的贈答制と
    返礼の義務
    (ポリネシア)
    オロアとトンガ
    タオンガ、ハウ
    ・なにかを貰うということは、その者の
    霊の一部を貰うこと(P.240)




    西太平洋の
    遠洋航海者




    (*1)
    二章 このシステムの発展、
    気前のよさ・
    名誉・貨幣
    クラ

    ・物々交換の観念は、ポリネシア人
    と同様にメラネシア人にとっても
    自然ではない。(P.277)
    ・返して貰うことを望んでいないという
    態度を示すために、単にモノを
    破壊することがある。<中略>
    このようにすれば、みずからの社会的
    地位ばかりではなく、その家族の
    社会的地位が高められる。(P291-2)
    ・この義務的贈答の原則は<中略>
    いわゆる売買、とくに、公定貨幣で
    評価される価格の観念には到達して
    いない社会の原則であるに相違ない
    と考えても差し支えない。(P.328)
    西太平洋の
    遠洋航海者
    (*1)
    三章 古代の法および
    経済におけるこの
    原則の痕跡
    四章 結論

    ソクラテス風のことばの意味の
    《政治》(P.397)
    西太平洋の
    遠洋航海者
    (*1)
    第三部 心理学と社会学の現実的でしかも実践的な関係
    一章 人類学における
    社会学の位置づけ
    二章 社会学に対して
    なされた心理学の
    最近の寄与





    剽軽者、いたずらな小妖精、小悪魔、
    《道化夢》(ヴント)(P.18)
    自殺論
    (デュルケーム)
    トーテムと
    タブー
    (フロイト)
    三章 心理学に対して
    なされた社会学の寄与
    四章 心理学に対する
    問題提起
    第四部 集合体により示唆された死の観念の個人に対する肉体的効果
    一章 死の観念についての
    集合的示唆の定義
    この者は呪術にかけられたと信じ込み、
    あるいは過失を犯したと信じ込み、
    そのような理由だけで死んで
    しまうのである。(P.46)
    二章 オーストラリアの
    事実の諸類型
    三章 ニュージーランド
    およびポリネシアの
    事実の諸類型
    アノミー型自殺(P.70) 自殺論
    (デュルケーム)
    第五部 人間精神の一つの範疇・人格の概念、《自我》の概念
    一章 主題・人
    二章 《人物》および《人》
    の占める地位
    三章 ラテン人の
    《ペルソナ》
    四章 《ペルソナ》
    五章 倫理的事実
    としての人
    六章 キリスト教の人
    七章 心理学的存在
    としての人
    この章は哲学的な内容である。
    デカルト、スピノザ、ヒューム、etc.
    八章 結論
    第六部 身体技法
    一章 身体技法の概念 わたくしと一緒にいた英軍はフランス製
    のシャベルを使うことが
    できなかった<以下略>(P.124)
    二章 身体技法の
    分類の諸原則
    われわれが泥土または水溜りで
    休息する場合に、彼ら(オーストラリア兵)
    は踵(かかと)の上にしゃがみこみ、
    休息することができた。<略>
    わたくしの方は、足をすっかり水に
    濡(ぬら)し、長靴をはいて立ち続け
    なければならなかった。(P.136)
    三章 身体技法の
    伝記的列挙
    マサイ族はつッ立ったまま眠る
    ことがある。(P.144)
    四章 総括
    参考文献は本書記載の全てではなく、かつ同じとは限らない。
    ★印は特に重要な文献
  7. 参考・注記


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