JH8CHUのホームページ> 発振回路の実験 >CR移相発振回路(トランジスタ)の実験

CR移相発振回路(トランジスタ)の実験(工事中)


工事中(2014/04/12)
  1. 実験の目的

    バイポーラ・トランジスタを使用したCR位相発振回路の発振原理を
    理解するととにも、回路を組み立て、発振動作を確認する。
  2. 実験課題

    下記の項目について簡易測定を行い、設計値と測定値を比較する。
    1. 発振波形の確認
    2. 発振周波数
    3. 発振電圧

  3. 実験回路


  4. 回路構成と動作原理

    反転増幅回路の出力をCRの微分回路3段により位相を180度回してから増幅回路の入力に
    戻すことにより正帰還をかけると、増幅回路の入力にノイズなどにより発生した信号が
    次第に増幅され、発振します。
    このときの発振周波数は、移相回路でちょうど180度位相が回る周波数となます。
    移相発振回路の詳細原理は(工事中)を参照してください。

    増幅回路はトランジスタ2石により構成します。
    初段はエミッタ接地増幅で、半固定抵抗により増幅率を29倍に設定します。
    2段目のトランジスタはエミッタ・フォロワーで、出力インピーダンスを低くするともに
    負荷の変動により発振周波数が変動することを防ぎます。(緩衝増幅)
  5. 回路定数の設計

    1. 設計条件
      (1)発振周波数: 1[kHz]
      (2)電源電圧: 6[V]
      (3)出力電流:【後報】
      (4)トランジスタ2石構成

    2. トランジスタの直流バイアス設定
      増幅回路の構成は2段直結増幅回路と同じになります。
      初段のトランジスタのベース電圧は、●[V]、またコレクタ電流は1[mA]で設計します。
      トランジスタのhFEを100位とすれば、ブリーダ電流は100[μA]位にすればよいので
      ここでは、RB1=●[kΩ]、RB2=●[kΩ]としました。
      Tr1のベース電位が●[V]なので、Tr1のエミッタ電位は●-0.6=●[V]です。
      Tr1のコレクタ電流(≒エミッタ電流)は1[mA]なので、RE1=●/1[mA]=●[kΩ]
      とします。
      また、Tr1のコレクタ電位は(6-1)/2=●[V]位に設定することにすると
      RC = ●/1[mA] = ●[kΩ]となります。
      Tr1のコレクタ電圧は、Tr2のベース電圧となります。
      従って、Tr2のエミッタ電圧は、●-0.6[V]であり、Tr2のエミッタ電流は
      5[mA]とすれば、RE2= ●/5[mA] = ●[kΩ]となります。

    3. ゲイン調整
      CR移相発振回路では、増幅回路の増幅度は-29倍必要となります。
      ここで、マイナスは反転増幅であることを意味します。
      増幅度を29倍に設定するために、初段のトランジスタのエミッタ抵抗の一部を
      半固定抵抗にして交流負帰還量を調整することにより増幅度を29倍に調整します。
      増幅回路の増幅度が29倍以下になると発振しません。
      また、29倍より大きくし過ぎると、正弦波の波形の歪が大きくなります。
      ただし、本回路ではもともと歪はあまり小さくはなりません。

      初段のエミッタ接地の増幅回路では29倍以上の増幅度が必要であることから、
      RE1の値に対して、RCの値は29倍以上の値が必要です。
      この設定値と直流バイアスを設定するための抵抗値と同時に実現するためには
      抵抗値の選定範囲の難しくなるため、交流的にRE1の値をRCの1/29に設定する
      ことを考えます。
      具体的な回路が回路図に示した方法です。
      Tr1のエミッタのバイパスコンデンサの接続を半固定抵抗により可変することにより
      直流バイアス点を変えることなく、交流的なエミッタ抵抗の値をRCの1/29に設定出来ます。

    4. エミッタ・フォロワー

      出力電流をいくら取り出すかにより、エミッタ・フォロワーであるTr2に流す
      直流電流の値が決まります。

    5. 移相回路

      CR移相発振回路の発振周波数fは
      f = 1/(2π√6 CR)
      で与えられます。
      発振周波数を1kHzとしましたが、抵抗器の方が入手出来る定数の選択肢が広いので
      まずコンデンサの値を選定し、それから必要な抵抗値がいくらになるか計算して
      f=1kHzとなるコンデンサと抵抗器の組み合わせを決めます。
      と、言っても、CR移相発振回路で発振周波数1kHzであれば、設計事例が豊富であるため
      大体の相場(?)となる値があります。(^_^;
      具体的には、C=0.068μF、R=1kΩとします。
      fを計算してみると、
      f= 1/(2π√6×0.068[μF]×1000)
      956[Hz]

      目標とする1kHzに対し、少し誤差が大きいようにも見えますが
      もともとCR発振器は周波数の安定度もあまりよくないため、
      正確な周波数の発振器の用途には向いていません。
      もし、もっと正確な周波数で発振させたければ、別な回路構成とすべきなので
      今回はこの定数で実験することにします。

  6. 実験方法

    1. 電子ブロックの配置(暫定)


    2. 発振波形の確認
    3. 発振周波数の確認

  7. 実験機材

    1. 電子ブロック

        必要ブロック トランジスタ(2SC1815)、抵抗器:
        コンデンサ:
    2. トランジスタ(2CS1815相当品)×2個
    3. 抵抗器×2個
    4. 乾電池(1.5V×4本)、電池フォルダー
    5. オシロスコープ
    6. 交流電圧計
    7. 周波数ブリッジ

  8. 実験結果

    1. 発振波形
    2. 発振周波数
    3. 発振電圧

  9. 測定結果・考察

  10. 今後の課題

  11. 参考文献



  12. 関連項目

    1. 発振条件
    2. エミッタ接地増幅
    3. エミッタフォロワー
    4. CR回路の位相・周波数特性


JH8CHUのホームページ> 発振回路の実験> CR移相発振回路(トランジスタ)の実験


Copyright (C)2012,2013,2014 Masahiro.Matsuda(JH8CHU), all rights reserved.