JH8CHUのホームページ>
バイポーラ・トランジスタによる増幅回路の実験
>2石直結アンプの実験
2石直結アンプの実験(工事中)
工事中(2014/04/12)
実験の目的
初段がエミッタ接地、2段目がエミッタ・フォロワーである
2石直結増幅器を設計してから、実際に回路を組み立て、増幅動作をさせて、
設計値と簡易測定した特性とを比較検討する。
実験課題
下記の項目について簡易測定を行い、設計値と測定値を比較する。
- 直流動作点
- 入力インピーダンス
- 出力インピーダンス
- 増幅度
実験回路
回路の動作
増幅回路の初段にエミッタ接地回路、2段目はエミッタ・フォロワーを用いた
2段増幅回路です。エミッタ接地回路のエミッタにはパスコンを挿入しましたが
パスコンを外して交流負帰還をかける方式もあります。
2段目がエミッタ・フォロワーで電圧増幅度が1なので
初段のエミッタ接地回路の増幅度で全体の電圧増幅度が決まります。
また出力インピーダンスは2段目のエミッタ・フォロワーにより低くなり、
入力インピーダンスは初段のエミッタ接地で決まります。
周波数特性の改善のために、段間のコンデンサーを無くして、
直結回路としています。
直結するためには、初段と2段目のトランジスタのバイアス回路を
独立に考えることは出来ません。
バイアス回路の設計
まず、直流動作点を決めるために、バイアス回路の設計をします。
- 前提
(1)電源は乾電池1.5V×4本=6Vとします。
(2)コレクター電流:Ic1=1mA
(3)コレクター電流:Ic2=5mA
(4)エミッタ抵抗REの両端の電圧:VE=1V
(5)コレクタ抵抗RCの両端の電圧:VC=2.5V
- 抵抗値の設計
(1)REの計算
RE ≒ VE/IC = 1[V]/1[mA] = 1[kΩ]
(2)RCの計算
RC = VC/IC = 2.5[V]/1[mA] = 2.5[kΩ]
実際は、E-12系列より、2.5kΩに最も近い、2.7kΩとします。
(3)R1、R2の計算
VBEを0.7[V]とすると、VE=1[V]としたので、R2の両端の電圧は
1.7[V]となります。
一方、R1、R2に流すブリーダー電流はIBの約10倍に設定します。
トランジスタのhFEはデータシートよりhFE=100(typ)なので
IB = IC/hFE = 1[mA]/100 = 10[μA]
なので、ブリーダ電流をIBの10倍の100[μA]とすれば、
R1 + R2 = Vcc/(ブリーダ電流) = 6[V]/100[μA] = 60[kΩ]
よって、
R2 = 1.7[V]/6[V] * 60[kΩ] = 17[kΩ]
R1 = 60[kΩ] - 17[kΩ] = 43[kΩ]
実際は、E-6系列より、R1 = 47[kΩ]
実際は、E-6系列より、R2 = 22[kΩ]
とします。
増幅回路の等価回路
下図に示します。
トランジスタはともに簡略化等価回路を使用します。
入力インピーダンスの計算
出力インピーダンスの計算
電圧増幅度の計算
等価回路から、下記の式で与えられます。
Av =
今回の定数で計算すると、
・・・となります。
コンデンサの容量の決定
- 入力コンデンサ(Ci)
- 出力コンデンサ(Co)
- バイパス・コンデンサ(CE1)
実験方法
信号源としては、トランス・ボックス
を使用します。
従って、周波数は(東日本では)50Hzになります。
トランス・ボックスの出力電圧がそのままでは電圧が高すぎるので
抵抗器により分圧し、10mV(rms)程度まで減衰させます。
このとき、アッテネータとしてグランドとの間に10Ωを使用すると
増幅器からみたときの信号源のインピーダンスが10Ωと低く
抑えられるので、実験には好都合です。
測定には5kΩの可変抵抗器
と交流電圧計とを使用して、簡易測定法により、
入力インピーダンス、出力インピーダンス、電圧増幅度をそれぞれ
測定します。
そして、バイパス・コンデンサ(CE)の接続点を変えることにより
交流負帰還の量を変えて、測定値を比較します。
- 電子ブロックの配置
- 入力インピーダンスの簡易測定
- 出力インピーダンスの簡易測定
- 電圧増幅度の簡易測定
実験機材
- 電子ブロック
トランジスタ(2SC1815)、抵抗器:
コンデンサ:
- トランス・ボックス
- 可変抵抗器(5kΩ)
- 固定抵抗器
- アナログ・テスター
- ディジタル・テスター
- 乾電池
-
実験結果
- 直流動作点
- 入力インピーダンス
- 出力インピーダンス
- 増幅度
測定結果・考察
今後の課題
参考文献
関連項目
- 固定バイアス回路
- 電圧帰還バイアス回路
- エミッタ接地増幅回路の実験
- エミッタ・フォロワーの実験
-
JH8CHUのホームページ>
バイポーラ・トランジスタによる増幅回路の実験>
2石直結アンプの実験
Copyright (C)2014 Masahiro.Matsuda(JH8CHU), all rights reserved.