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自作電子ブロック


本ページ作成。(2024/02/11)

  1. 製作の動機

  2. 電子工作を趣味としている場合でも、試作とか予備実験とかは
    しばしば実施する必要にせまられます。

    簡単な回路であれば、まずミノムシ・クリップのついた
    リード線で部品間を接続してしまう方法があります。
    この方法の問題点は配線が長くなるため、
    トランジスタなどの能動素子では動作が不安定になり
    想定外の発振現象が発生し易くなりますし、
    配線間を誤って短絡してしまう恐れもあり心配です。


    部品点数がある程度多くなっても使えて、最もお馴染みなのが
    ブレッド・ボードを使用して回路を組み立てる方法です。
    DIP形状の多ピンのICも挿すことも出来ます。
    しかし、私自身はあまりブレッド・ボードを使う方法は
    好きではありません。
    というのは、抵抗器やコンデンサのリード線が何回も使っている
    うちにふにゃふにゃになってきますし、また手で直接触れるため
    リード線の表面がだんだん酸化してくるのがいやなのです。
    まあ、ブレッド・ボードに使う部品はそもそも消耗品と
    割り切って使うのが、前提なのだと思いますが。



    ユニバーサル基板に試作回路を組み立ててしまう方法もあります。
    本方式では、実験はかなり楽になりますが、一方、試作回路の製作に
    少なからず時間がかかることと、あと最大の問題は、組み立てた
    試作ボードに汎用性がないために、目的の実験が終わってしまうと
    ほとんど他に使い道がない点です。(^^;



    そこで・・・・・、

    電子ブロックを使う方法を考えてみました。
    もっとも、以前手に入れた学研の電子ブロックには
    部品なしのブロックが別売りもしていますが、
    3個で1k\もしますし、特に将来の供給が心配です。



    もっと、安価でこれからも部品の供給の心配がない
    方法はないだろうか・・・・。

    と、言うことで、オリジナル仕様の自作電子ブロックを
    考えてみました。
  3. 外観

  4. まずは、外観をご覧ください。
    あんまり見てくれは良くないのですが・・・。(^o^;;

    1. 電子ブロックの配置例
    2. こんな感じで使います。


    3. ベース・ボード
    4. 最初はマザーボードと呼んでいたのですが、組立パソコンのマザーボードと
      勘違いする人が居そうなので、とりあえずベースボードと呼ぶことにしました。


    5. ブロックの例
    6. 学研の電子ブロックのように、ケースに入っていないので、若干取り扱い注意です。(^_^;


  5. 使用部品

    1. ベースボード用ユニバーサル
    2. 2.54mmピッチでなるべく大きなものを使用します。具体的には秋月電子の
      片面紙エポキシ・ユニバーサル基板 Aの小タイプ(138×95mm)
      を使用しました。


    3. ブロック用ユニバーサル
    4. 秋月電子の
      16ホールユニバーサル基板(2.54mm)です。
      最初は、片面紙エポキシ・ユニバーサル基板 Cタイプ(72×47.5mm)
      を切って使おうかと思ったのですが、たくさん作るとなるとこれが大変です。(>_<)
      その矢先、秋月から16ホールユニバーサル基板が発売されていることに気づき
      助かりました。
      1枚単位でも買えますが、10枚単位で割って使うものも売られています。
      (割らずに使うことも出来ます)


    5. ピンソケット (メス) 2×2 (4P)
    6. これも秋月電子です。
      ベースボードの1号機では2×5タイプを使ったのですが(2×2のみ使用した)、
      2×2タイプが発売されたので、ベースボードの2号機では
      2×2タイプに変更しました。


    7. ピンヘッダ
    8. やっぱり秋月電子です。(^^;
      2×2タイプも売ってるようですが、私は2×20とか2×40を買ってきて
      ニッパーで切って使っています。簡単に切れます。


  6. ベース・ボードの製作

    1. ピンソケット
    2. 縦方向、横方向とも2.54mm×7間隔で配置しています。
      もう1メッシュつめることも出来ますが、ブロックをベース・ボードから
      引き抜く際に、ブロックとブロックの間に指が入るようこの間隔にしました。


    3. 配線
    4. 裏側(銅箔側)の配線はこのようになっています。
      スズメッキ線を使用してピンソケット間を接続しました。
      今はベタ置きで使用していますが、ネジ穴にスペーサーを付けると
      良いと思います。


    5. ピンソケットの配線
    6. この絵は上(部品面)から見た図です。


  7. ブロックの製作

    1. 部品面
    2. 抵抗ブロックの例です。
      ピンとピンとの間の配線は、少しハンダを多めに載せて、短絡します。


    3. 部品面
    4. 部品の載らないリード・ブロックの例です。
      自作なので、クロス配線とか好きな仕様のものも作れます。


    5. ピン側
    6. ピン側は各ブロック共通の外観となります。


  8. ブロックの例

    1. 抵抗(10kΩ)


    2. コンデンサ(22μF電解)


    3. コンデンサ(470μF電解)


    4. コンデンサ(0.01μFセラミック)


    5. トランジスタ(2SC1815)


    6. 5.1Vツェナー・ダイオード(1N5231B)


    7. 複合ブロック
    8. 学研の電子ブロックにはない本方式の特徴です。
      ブロックは複数のピンソケットにまたがってもよいので、ユニバーサル基板を
      切る手間はありますが、複数部品を搭載した回路ブロックやDIPのICを搭載した
      ブロックも製作可能です。
      下の写真は2カ所のソケットを使用し、抵抗器を5個載せたブロックの例です。


    今後、必要に応じてブロックを追加作成していきます。
    秋月電子の16ホール・ユニバーサルとピンヘッダがあれば、
    どんどん新しいブロックを追加出来ます。(^^v

  9. 使い方の例

  10. マイクロソフトのWORDを使って事前にブロックの配置を設計してます。
    各ブロック単位でグループ化しておくと移動が楽です。
    下図はFETの1石増幅回路の実験に使用した例です。


  11. 課題

  12. 使用してみた結果、いくつか課題があります。

    1. ブロック間の距離が長く、ノイズに弱い
    2. ブロックとブロックの間隔は2.54mm×7にしましたが、
      配線が長くなるためノイズが載りやすいです。
      低周波回路では何とか使用出来ますが、高周波で使用するのは
      難しいでしょう。

    3. ブロックの方向が判りづらい
    4. ブロックの取り付け方向を間違えると、部品が破損する危険があるため
      実装には気を使います。方向が判るようなマークを付けることを検討しています。

      例えば、下図のようにブロックの実物の四隅の一か所に印をつけて、
      向きがすぐ判るようにようにするとか。


    5. ケースに入っていないのでリードが曲がりやすい
    6. 学研の電子ブロックのようにプラ・ケースに入っていないので
      不用意にぶつけると部品が曲がってしまいます。(>_<)
      もっとも、リード線がむき出しなので、ミノムシ・クリップで
      つまむことが出来き、逆に外部回路との接続は容易ですが。(^^;
  13. 改良

  14. 今後、改良の度に掲載予定。




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