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DTL-NANDによる半加算器の実験
本ページ作成。(2026/09/18)
実験の目的
DTL(Diode Transister Logic)にて作成されたNAND回路を使って
半加算器を構成し、その論理動作を確認します。
実験課題
下記の項目について実験します。
- NANDにより構成した半加算器(Harf Adder)の動作確認
実験回路
- 半加算器
(1)NANDによる半加算器回路

(2)半加算器のシンボル例

回路の動作
1bitの数AとBの加算器において、その結果の1の位はSで表し、
1桁上りをCで表すと加算器の動作は下図となります。
| A | B | C |
S |
| 0 | 0 | 0 | 0 |
| 0 | 1 | 0 | 1 |
| 1 | 0 | 0 | 1 |
| 1 | 1 | 1 | 0 |
ここで1を論理値"H"に対応させ、0を論理値"L"に対応させると
上の表は次のようになります。
| A | B | C |
S |
| L | L | L | L |
| L | H | L | H |
| H | L | L | H |
| H | H | H | L |
この真理値表から論理を生成すると下図となります。
(1)Cの生成論理

(2)Sの生成論理

実験回路ではSの生成論理の中のG1がCの反転なので、CはG1から取出します。
・本実験の回路(再掲)

更に詳細な動作については、トランジスタ・パルス回路の解析の
NANDによる半加算器・全加算器を
参照してください。
実験回路の設計
NANDをひとつの論理素子と考えた場合、スルーラッチの回路構成は決まっているので
NANDとNAND間を接続する際の電気的仕様がうまく整合していることの
確認のみを行います。
- DTL-NANDブロックの電気的仕様
(1)電源電圧
Vcc: 5V±5%(5V±0.25V)
(2)出力電流(IO)
IOH(max): 0.1mA
IOL(max): 8mA
(3)入力電流(II)
IIH(max): 0mA
IIL(max): 0.4mA
(4)出力レベル(VO):
VOH(min): 3.0V
VOL(max): 0.4V
(5)閾値レベル(VT):
VT(max): 2.3V
VT(min): 0.5V
- DTL-NANDブロックの信号の電圧レベル
DTL-NANDブロック間を接続する際の電圧レベルを図示すると、下図のように
なります。"H"側で0.7[V]、"L"側で0.1[V]のノイズ・マージンがあり、
問題ありません。(もちろん"L"側ノイズ・マージンが小さいのは気になりますが)
なお、出力電圧(VY)の保証値については、この後検討する
出力電流(ファン・アウト)が定格以内に収まることが前提です。

- DTL-NANDブロックのファン・アウト
出力の状態をすぐに判定出来るようにLEDを接続します。
LEDはC端子の状態を表しますが、C="H"で点灯した方が直感的に動作が
判りやすいので信号のCnに直接接続します。こうするとCn="L"(C="H")で
LEDが点灯します。
LEDは680[Ω]の抵抗経由でVccに接続します。抵抗の最大誤差は5%とすれば、
点灯時、LEDに流れる最大電流(ILED(max))は
ILED(max) = (VCC(max) - VLED(min)) / RL(min)
= (5.25[V] - 2[V] * 1.05) / (680[Ω] * 0.95) ≒ 4.9[mA]
LEDの型式は不明なので、順方向電圧は2[V]±5%と仮定しました。
NANDの出力に接続される最大負荷は、NAND×2とLEDを接続したときです。
出力が"L"の場合のファン・アウトは下図となり、IOL(max)=8.0[mA]に対し
最大5.7[mA]の流れ込みなので問題ありません。

出力が"H"の場合のファン・アウトは下図となりますが、流れ出しの電流は0なので
こちらも問題ありません。

- NANDにより構成した半加算器(Harf Adder)の動作確認
(1)下図の回路を組み立てます。
LEDへの配線は少しやりづらいです。

(2)電源を入れます。
(3)A端子とB端子を両方グランドと接続します。
LEDが消灯し(C="L")、電圧計VSがほぼ0[V]("L")となることを確認します。
(4)A端子のみグランド接続を外します。
LEDが消灯し(C="L")、電圧計VSがVcc("H")となることを確認します。
(5)A端子とグランド間を接続し、B端子のグランド接続を外します。
LEDが消灯し(C="L")、電圧計VSがVcc("H")となることを確認します。
(6)A端子とB端子を両方グランド接続を外します。
LEDが点灯し(C="H")、電圧計VSがほぼ0[V]("L")となることを確認します。
(7)以上の操作結果から下記の表のC、S欄を埋めます。
実験機材
- DTL-NANDブロックと
電子ブロック
使用したブロックは、実験方法の
電子ブロックの配置を参照。
- 簡易安定化電源 (5[V]端子)
- テスター
実験結果
- NANDにより構成した半加算器(Harf Adder)の動作確認
C、Sの欄(赤色)が測定結果。
| A | B | C |
S |
| L | L |
L |
L |
| L | H |
L |
H |
| H | L |
L |
H |
| H | H |
H |
L |
考察
- NANDにより構成した半加算器(Harf Adder)の動作確認
論理回路の理論値と動作が一致しました。
半加算回路で2進数の加算が出来ることを確認しました。
今後の課題
- 特になし
全加算器の実験もしたいところでしたが、NANDブロックが9個も
必要になるので断念しました。
これ以上複雑な論理回路の実験はディジタルICでの実験にゆずります。
参考文献
- 特になし
関連項目
- トランジスタ・パルス回路の解析−
NANDによる半加算器・全加算器の解析
- ディジタル回路実験ツール−DTLによるNANDブロック
- 自作電子ブロック
- 簡易安定化電源
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