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エミッタ接地トランジスタ増幅回路(交流負帰還有り)の解析
本ページ作成(2015/04/01)
誤記訂正しました。(2024/09/09)
入力側カップリング・コンデンサの影響と
出力側カップリング・コンデンサの影響を
書換えました。(2024/09/09)
回路図

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増幅回路の等価回路は下図のようになります。
トランジスタは
エミッタ接地の小信号簡略化等価回路で置き換えます。
電源のインピーダンスは零なので、電源Vccとグランド(GND)間は短絡します。
また、2つのカップリング・コンデンサCiとCoは増幅する周波数帯域内では
無視できる(=ゼロと見なせる)値を選定するため、CiとCoも短絡します。

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まず、トランジスタのベースから右側を見たときの入力インピーダンスRiを求めます。
等価回路から以下の関係式が成り立ちます。
vi = ib * hie + RE * (ib + hfe * ib) = ib * { hie + RE * (hfe + 1)}
従って、
Ri = vi/ib = hie + RE * (hfe + 1)
このRiを使用すると、Ziは
Zi = R1//R2//Ri
= R1 // R2 // [hie + RE * (hfe + 1)]
hfe = βなので
Zi = R1 // R2 // [hie + RE * (β + 1)]
ここで、hieとして概算式を使うと、
Zi ≒ R1 // R2 // [1/(40*IB) + RE * (β + 1)]
= R1 // R2 // [β/(40*Ic) + RE * (β + 1)]
≒ R1 // R2 // [β/(40*IE) + RE * (β + 1)]
また、 hie << RE * (hfe + 1)と見なせるときは
Ri = RE * (hfe + 1) ≒ RE * hfe (∵ hfe >> 1)
∴ Ri ≒ RE * hfe = RE * β
の式で概算出来ます。
更に、R1//R2 << Riと見なして
Zi = R1 // R2
の式で概算しても実用になります。
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制御電流源の内部抵抗は無限大であることに注目すると、
等価回路よりただちに、
Zo = Rc
(REは関係しません。)
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まず、ibを求めます。
ib = vi/Ri = vi/{hie + RE * (hfe + 1)}
一方、出力電圧voは
vo = - ic * Rc
= - (hfe * ib) * Rc
= - hfe * [vi/{hie + RE * (hfe + 1)}] * Rc
∴ vo = - vi * [hfe/{hie + RE * (hfe + 1)}] * Rc
ここで、マイナスの符号はvoがviに対して、
位相が180度反転することを意味しています。
以上より、電圧増幅度Avは
Av = vo/vi
∴Av = - hfe/{hie + RE * (hfe + 1)} * Rc
・・・・・@
なお、hieは概算式を使用すると、
hie = β/(40 * Ic) = hfe/(40 * Ic)
≒ β/(40 * IE) = hfe/(40 * IE)
なので、hfe+1≒hfe(∵hfe>>1)、hfe=β、とすれば
Av = - β/{β/(40 * Ic) + RE * β} * Rc
= - 1/{1/(40 * Ic) + RE} * Rc
∴Av = - Rc/{1/(40 * Ic) + RE}
一方、@の式において、hie >> RE * (hfe + 1)、hfe+1 ≒ hfe
一方、@の式において、hie <<
RE * (hfe + 1)、hfe+1 ≒ hfe
であることを利用して近似すれば、
vo = - vi * [hfe/{RE * hfe}] * Rc
= - vi * [1/RE] * Rc
∴vo = -vi * Rc/RE
となることから、
Av = vo/vi = - Rc/RE
∴Av =- Rc/RE
となり、抵抗器RcとREのみでAvが決まります。
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入力側カップリング・コンデンサCiの影響を検討します。
出力側カップリング・コンデンサCoをこの後の項で検討するように
無視出来る値(インピーダンス=0)に設定し、Ciのみを残すと
等価回路は下図のようになります。
一般的にはVi, V1, Voはフェーザ表示です。

トランジスタのベースから右側を見たときの入力インピーダンスをRiとすれば、
R1、R2、Riは並列接続となるので、以下の計算においては
Zi = R1 // R2 // Ri
とします。
ZiとCiはローカット・フィルタ(Low Cut Filter)を
形成するため、周波数が低くなると減衰を無視できなくなります。

この回路でカットオフ周波数をfciとすれば、ω=2π * fciなので
fci = 1/(2π * Ci * Zi)
となります。
なお、信号源の内部抵抗(Rs)が無視できない場合、等価回路は下図となります。

この場合のカットオフ周波数をfciとすれば、ω=2π * fciなので
fci = 1/{2π * Ci * (Rs + Zi)}
となります。
しかし、回路によってはRsの値が特定出来ない場合もあります。
その場合、Rs=0[Ω]がワースト・ケースになるので、
fci = 1/(2π * Ci * Zi)
の式で計算すれば問題ないことになります。
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出力側カップリング・コンデンサCoの影響を検討します。
入力側カップリング・コンデンサCiとエミッタのバイパス・コンデンサCEを
この後の項で検討するように無視出来る値(インピーダンス=0)に設定し、
Coのみを残すと等価回路は下図のようになります。

制御電流源とコレクタ抵抗Rcとを
ノートンの等価回路からテブナンの等価回路に
変換すると下図のようになります。
CoはRcと負荷抵抗RLとともにローカットフィルターを形成します。

Coの値は、この増幅器の出力側のインピーダンスRLが
決まらないと決められません。
そのカットオフ周波数fcoとすれば、
fco = 1/{2π * Co* (Rc + RL)}
となります。
また、Rc=0の方がワースト・ケースになるので、Rc<RLならCoを決める際
fco = 1/(2π * Co* RL)
で計算するのも一案でしょう。
参考文献
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