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周波数ブリッジによる周波数測定実験


本ページ作成。(2025/02/02)

  1. 実験の目的

  2. 周波数ブリッジを用いて周波数の測定を行うことにより、周波数ブリッジの原理を理解し、
    測定誤差について考察します。

  3. 実験課題

    1. 商用電源(50Hz)の周波数測定
    2. 感度の異なる2種類の検出器を使用します。

  4. 周波数ブリッジの原理

  5. 周波数ブリッジの一種であるウィーン・ブリッジの原理は こちら。

  6. 実験方法

    1. 実験回路(1)
    2. 倍圧整流した直流電圧をアナログ直流電圧計で読み取り、検出器とします。
      倍圧整流はテスター・アダプターの整流部を使用します。
      なので、検出器に増幅度はありません。


    3. 実験回路(2)
    4. 検出器として、テスター・アダプターを使用します。
      テスター・アダプターで増幅するので、実験回路(1)より感度が高くなります。


    5. 測定方法(実験回路1,2共通)
    6. (1)回路を組立ます。このとき測定に影響しないよう、テスターは接続しません。
      (2)被測定端子には2kΩの精密抵抗器を接続します。
      (3)ブリッジの機能設定で「F」(周波数測定)を選択します。
      (4)ブリッジのRANGEは「3」に設定します。
      (5)測定信号源の出力(5kΩ VR)を最小にして接続(または電源ON)します。

      (6)検出器のメータが適度に振れる位置まで5kΩVRの出力を上げます。
      (7)D/FのVRを調整して検出器のメータが最小になる点を探します。
      (8)検出器のメータの振れが大きくなるよう5kΩVRの出力を上げます。
      (9)7〜8を繰り返して検出器の振れが最小になるD/FのVRの設定点を見つけます。
      (10)テスターの読み取りに影響しないよう、5kΩVRの出力を0にします。
      (11)テスターをF端子とDET端子のマイナス側(黒ターミナル)間に接続します。
      (12)その時の抵抗値を読み取ります。(数回測定し、平均値をFとします)
      (13)以下の計算式により、測定周波数f[Hz]を求めます。Cは4.7μFです。

      f = 1/(2*π*C*F)

  7. 実験機材

    1. 交流ブリッジ
    2. 2kΩ 0.1% 固定抵抗器
    3. トランスボックス
    4. テスターアダプタ
    5. アナログ直流電圧計
    6. 可変抵抗器(5kΩB)
    7. ディジタルテスターまたは直流電位差計
    8. (クリスタル・イヤホン) (未使用なれど、比較のため)

  8. 実験結果

    1. 測定結果と周波数計算値
    2.      実験回路(1)   実験回路(2)  備考
      1回目 708 693    
      2回目 666 694    
      3回目 686 691    
      平均[Ω] 686.7 692.7 これが抵抗Fの値
      周波数計算値
      [Hz](*1)
      49.3 48.9    
      測定周波数の
      相対誤差[%]
      -1.4 -2.2    
      (*1) 計算式: f = 1/(2*π*C*F)、C=4.7[μF]

  9. 考察

    1. 周波数測定結果
    2. 2種類の検出器を使用して測定しましたが、ともに49[Hz]前後の結果を得ました。
      商用電源の50Hzの誤差はほとんど無視出来るので、誤差の要因は
      測定器または測定方法の問題と考えられます。

    3. 測定誤差の検討
    4. 考えられる測定誤差の要因としては
      (1)ウィーン・ブリッジのコンデンサーの誤差
      (2)ウィーン・ブリッジの固定抵抗器の誤差
      (3)ディジタル・テスターによる可変抵抗器(D/F)の読み取り誤差
      (4)ウィーン・ブリッジの可変抵抗器(D/F)の平衡点の設定誤差

      などが考えられます。
      精密なコンデンサーの入手は難しく、今回使用したコンデンサーの誤差は5%あります。
      5%は50[Hz]に対し±2.5[Hz]となり今回の実験の最大誤差要因と思われます。
      これに対して固定抵抗器は0.1%の誤差、またディジタル・テスターの誤差も5%より
      はるかに小さく(2)(3)は相対的に問題となりません。
      要因の(4)は定量的に評価することは難しいですが、測定を複数回実施し、その平均を
      取ることにより、小さく出来ると考えられます。
      また検出器の感度が高いほど、平衡点が見つけやすく、誤差を小さくすることが
      期待出来ますので、一般的には実験回路(2)の方が有利です。

      なお今回の実験により、逆に測定周波数を2%増やせば、コンデンサーの誤差を
      補正
      できそうだ、との感触も得ました。

    5. 検出器の感度
    6. 今回の測定では、たまたまテスター・アダプターの方がやや誤差が大きくなりましたが、
      一般的には、検出器の感度が高い方が平衡点が見つけ易く、測定値のバラツキが
      小さくなるため、誤差も小さくなると考えられます。


    7. 検出器としてのイヤホン
    8. 最初、検出器としてクリスタル・イヤホンを使用したのですが、
      ほとんど平衡点が判りませんでした。
      これは、信号源に使用した商用電源は、変圧器を経由した際などに少なからず
      歪みが混入するためと推定します。
      更に、クリスタル・イヤホンの周波数特性が基本波の50[Hz]より高調波の方が
      感度が高いことも原因と思われます。

      (1)平衡点から少しずれたときの検出端子(DET)の波形
      波形が歪んでいるが、イヤホンでは高調波の方がはるかに強く聞こえる。

      (100[mV]/DIV)

      (2)平衡状態の検出端子(DET)の波形
      基本波は消えたが、高調波が残っている。

      (100[mV]/DIV)

  10. 参考文献

  11. とくになし。

  12. 関連項目

    1. ウィーン・ブリッジの原理
    2. 交流ブリッジ
    3. 2kΩ 0.1% 固定抵抗器
    4. トランスボックス
    5. テスターアダプタ
    6. アナログ直流電圧計
    7. 可変抵抗器(5kΩB)


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