JH8CHUのホームページ> トランジスタ・パルス回路の解析 >単安定マルチバイブレータの解析

単安定マルチバイブレータの解析


本ページ作成。(2026/01/26)

  1. 回路の機能

  2. ワン・ショット(one shot)と呼ばれることが多いです。
    トリガ・パルス(Tn)が入る度に一定の長さ(T1)のパルスを生成する回路です。
    双安定マルチバイブレータは安定点がふたつ、非安定マルチバイブレータは安定点が
    0でしたが、単安定マルチバイブレータは安定点がひとつです。
    トリガ・パルスが入らないときは安定状態のままです。

    動作波形


  3. 回路図



  4. 単安定マルチバイブレータの動作

    1. 単安定マルチバイブレータの基本構成
    2. Tr1双安定マルチバイブレータ、 Tr2 非安定マルチバイブレータ
      同じ形をしています。

    3. 安定状態における動作
    4. トリガ・パルスがない状態では、Tr1のベースにRB1経由で
      電流が流れるためONになります。
      Tr1のコレクター電圧(VC1)がほぼ0になり、 RB2に接続された
      Tr2のベース電圧が下がり電流が流れないのでTr2はOFFとなります。
      そうするとTr2のコレクター電圧はVccとなり、コンデンサCB1
      (Vcc - 0.6)[V]に充電され、安定状態となります。


    5. トリガ・パルスを印加したときの動作
    6. 下図のように負のトリガ・パルスによりTr1のベース電流(IB1)が 減少すると、
      正帰還により短時間にTr1とTr2のON/OFFが入れ替わります。


    7. 入れ替わった直後の電圧
    8. Tr2はONなのでコレクタ電圧(VC2)はほぼ0になります。
      コンデンサ(CB1)の電圧はまだほとんど放電していないので(Vcc-0.6)のままです。
      この結果、Tr1のベース電圧(VB1)は−(Vcc-0.6)となりマイナスです。
      Tr1はOFFですが、青色の矢印で示したようにRC1からRB2
      経由してTr2のベース電流が流れ、Tr2はONとなっています。
      また、一般的にRC1≪RB2であることから、Tr1
      コレクタ電圧VC1はほぼVccになります。


    9. 入れ替わった後の動作
    10. 下図の赤線矢印のように電流が流れ、コンデンサ(CB1)が放電するのに伴い
      トランジスタTr1のベース電圧がマイナスから次第に上昇し、更にコンデンサが
      逆方向へ充電されるので、やがて0.6[V]に接近していきます。


    11. パルス幅の時間が経過したときの動作
    12. トランジスタTr1のベース電圧が0.6[V]に接近するとついに ベース電流(IB1)が
      流れ始めます。そうすると下図にように正帰還がかかり、 短時間にTr1とTr2
      ON/OFFが再び入れ替わります。これで、出力パルスが終了し、
      次のトリガ・パルス(Tn)が来るまで安定状態のままです。


    13. パルス幅の計算
    14. 非安定マルチバイブレータ の場合と同様に、Tr1のベース電圧の上昇カーブは
      下図のようになり、RB1とCB1との時定数で決まります。


      なのでパルス幅(T1)は
      T1 ≒ 0.7 * CB1 * RB1

    15. トリガー回路
    16. 双安定マルチバイブレータと同様にTr1のベースに印加する方法と
      コレクタに印加する方法があります。
      詳細は双安定マルチバイブレータの項を
      参照してください。

  5. 今後の課題

    1. とくになし。
  6. 参考文献

    1. パルス回路の設計(昭和56年(1981) 第20版(改訂10版)) P-102〜105 単安定マルチバイブレータ、猪飼國夫著、CQ出版社

  7. 関連項目

    1. トランジスタ・パルス回路の解析− 双安定マルチバイブレータ
    2. トランジスタ・パルス回路の解析− 非安定マルチバイブレータ
    3. トランジスタ・パルス回路の解析− CR微分回路、RC積分回路


JH8CHUのホームページ> トランジスタ・パルス回路の解析> 単安定マルチバイブレータの解析


Copyright (C)2026 Masahiro.Matsuda(JH8CHU), all rights reserved.