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垂下型過電流保護回路の実験


本ページ作成。(2026/04/20)
  1. 実験の目的


  2. 実験課題


  3. 実験回路

  4. 下記の帰還増幅型定電圧電源回路において、
    追加されたTr3とR5が保護回路となります。
  5. 回路の動作


  6. 実験回路の設計

    1. 設計条件

    2. 抵抗:R5の選定

    3. トランジスタ:Tr3の選定

    4. 出力短絡時の出力電流
    5. 出力をグランドに短絡すると、Vo=0となるため、トランジスタTr2はベース電流が
      流れなくなり遮断状態となると同時に、R2経由でダイオードD1、 D2にも
      電流が流れなくなります。そしてIoとしては
      Tr1のコレクタ→エミッタ→R5
      ルート(下図赤線)で約15[mA]の電流が流れますが、これとは別に
      R1→Tr3のコレクタ→エミッタのルート(下図橙線)でも電流が
      流れます。今回の設計では、IC1が15[mA]と小さいためIC3
      無視出来ません。


      IC3(max) ≒ (Vi - VBE * 2) / R1 = (10 - 0.65 * 2) / 1500 = ≒ 5.8[mA]

      となるので、出力短絡時の電流(IO(short))は
      IO(short) = IC1(max) + IC2(max) = 15 + 5.8 ≒ 21[mA]

      となります。
  7. 実験方法

    1. 電子ブロックの配置
    2. 入力電源(Vi)として簡易安定化電源 の10[V]端子を使用します。


    3. 負荷抵抗
    4. 下記の値の負荷抵抗(RL)をつなぎ替え、ディジタルテスターで
      出力電圧(Vo)を測定します。
      出力電流(Io)はIo = Vo / RLの式で計算しました。
      なおRL=0の時の電流は、テスターを電流計モードにして測定しました。

  8. 実験機材

    1. 電子ブロック
    2. 負荷用固定抵抗器:
    3. 1[kΩ]、680[Ω]、470[Ω]、220[Ω]、100[Ω]、47[Ω]、20[Ω]、10[Ω]
    4. 簡易安定化電源: 10[V]端子
    5. ディジタル・テスター(Vo)

  9. 実験結果

    1. 出力電流は
      Io = Vo / RL
      で計算。ただし、短絡時の電流は、テスターを電流計にして直接測定。


  10. 考察

    1. 制限開始の電流
    2. グラフよりIo=8[mA]あたりから過電流の検出と制限が始まったことが判ります。
      設計値の10[mA]よりやや小さいですが、VBEの個体差によるものと
      判断します。本回路ではこのくらいの誤差は許容する必要があるでしょう。

    3. 制限開始から出力短絡まで
    4. 出力電流が8[mA]を超えると、ゆっくりと出力電圧(Vo)が低下していきました。
      本保護回路は垂下型なのですが、垂下していないように見えます(^^;
      トランジスタTr3が遮断状態から能動状態に移行する過程で
      ベース電流が徐々に増加することからこのように見えるものと考えます。
      今回の実験回路はIo(max)=10[mA]と通常の電源よりは大分容量が小さかったのですが、
      Ioが数十mAより大きい場合はもっときれいに垂下するだろと推定します。

      さらにVoが低下すると、Voが低下する過程でトランジスタTr2が遮断したり、
      ダイオードD1、D2に電流が流れなくなる地点があるので
      電流の変化が変動すると思われます。

    5. 出力短絡時の電流
    6. 計算上は21[mA]でしたので、実測値は計算値以内に収まりました。
      短絡時の最大電流は今回の設計手法で保護出来るものと判断します。

  11. 今後の課題

    1. 応用
    2. 計画中である実験用安定化電源の製作に反映する予定です。
  12. 参考文献

    1. トランジスタ回路の実用設計(2005 初版)、渡辺明禎著、CQ出版社
  13. 関連項目

    1. 電子回路− 過電流保護回路
    2. 電源回路の実験−帰還増幅型定電圧電源回路の実験
    3. 簡易安定化電源
    4. 自作電子ブロック
    5. 設計情報−抵抗器−E系列


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