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垂下型過電流制限回の実験
工事中(2014/05/02)
実験の目的
電源回路において過電流が発生した際に電流制限をする機能回路の
ひとつである垂下型電流制限回路について動作を解析したのち、
実際に回路を組み立てて動作を確認する。
実験課題
設計した垂下型電流制限回路に実際に過電流が流れる負荷を接続して
電流制限の機能が動作することを確認する。
また、過電流に対する出力の特性を測定する。
実験回路
下記の帰還増幅型定電圧電源回路において、
追加されたTr3とR5が保護回路となります。
回路の動作
出力電流Ioにより、R5の両端にはIoに比例した電圧が発生します。
Ioが制限電流より小さいときは、R5の両端の電圧はトランジスタTr3の
ベース〜エミッタ間電圧VBEをONさせることは出来ず
Tr3はOFF状態です。出力電流Ioが増加し制限電流に達すると
R5両端の電圧によりトランジスタTr3がONします。
Tr3がONすると、Tr2のペース〜エミッタ間の電圧の増加を制限するため
それ以上Ioが増加することが出来なくなり、電流Ioが制限されます。
実験回路の設計
- 設計条件
- 抵抗:R5の選定
トランジスタTr3のベース〜エミッタ間電圧VBEをONにする電圧は
およそ0.6[V]なので、25[mA]の出力電流が流れたときR5の両端の電圧が0.6[V]
になるよにするための抵抗値は、
R5 = VBE/Io(max) = 0.6/0.025 = 24[Ω]
となります。抵抗に必要な許容電力PR5は
PR5 = VBE * Io(max) = 0.6 * 0.025 = 0.015[W]
となりますので、1/8Wタイプでも十分です。
実際には、E-12系列が選定してR5 = 22[Ω]とします。
このときの制限電流はIo = 0.6/22 ≒ 27[mA]
消費電力PR5はPR5 = 0.6 * 0.027 = 0.0162[W]
となります。
- トランジスタ:Tr3の選定
コレクタ電流Ic3の最大値は27[mA]ですので、小信号用汎用トランジスタで
問題ありません。定番の2SC1815とします。
ON/OFFの動作をするトランジスタのコレクタ損失の計算は悩ましいところですが
高速にスイッチングする訳ではないので、コレクタ〜エミッタ間飽和電圧
VCE(sat)に
コレクタ電流の最大値Ic3(max)をかけて、0.25*0.027≒7[mW]としました。
項目 | 記号 | 単位 | 部品仕様(25℃) | 設計値 | 判定 | 備考 |
コレクタ・エミッタ間電圧 | VCEO | V | 50 | 1.2? | OK | 備考 |
コレクタ電流 | IC | mA | 150 | 27 | OK | 備考 |
コレクタ損失 | PC | mW | 400 | 7 | OK | 備考 |
実験方法
- 電子ブロックの配置
- 負荷抵抗
(1)1 [kΩ] (Io=5.0[mA]、PL=25[mW])
(2)470[Ω] (Io=10.6[mA]、PL=53[mW])
(3)330[Ω] (Io=15.2[mA]、PL=76[mW])
(4)220[Ω] (Io=22.7[mA]、PL=114[mW])
(5)150[Ω] (Io=33.0[mA]、PL=167[mW])
(6)100[Ω] (Io=50.0[mA]、PL=250[mW])
- 乾電池
実験機材
- 電子ブロック
トランジスタ(2SC1815)、抵抗器:
コンデンサ:
- 固定抵抗器
- アナログ・テスター
- ディジタル・テスター
- 乾電池
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実験結果
測定結果・考察
今後の課題
- フの字特性電流制限回路の実験
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参考文献
- トランジスタ回路の実用設計(2005 初版)、渡辺明禎著、CQ出版社
関連項目
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