JH8CHUのホームページ>電気計測実験 >直流電位差計による電気抵抗測定

直流電位差計による電気抵抗測定


本ページ完成。(2019/12/03)
  1. 実験の目的

    直流電位差計による電気抵抗測定の原理 を理解するとともに
    誤差5%のP型カーボン抵抗の抵抗値の測定結果から精密測定の誤差を
    検討します。

  2. 実験課題

    下記の公称値のP型カーボン抵抗(誤差5%)の抵抗値を直流電位差計により測定します。

    (1)47Ω
    (2)470kΩ
    (3)4.7kΩ
    (4)47kΩ
    (5)470kΩ

  3. 実験方法

    1. 実験回路



    2. 実験手順

      (1)アナログ電流計の感度スイッチを"低"に設定します。
      (2)回路図を組立ます。

      (3)ケルビンバーレーポテンショメーターのロータリスイッチを"5000"に設定します。
      (4)直流電位差計を基準抵抗器(Rs)の両端に接続します。
      (5)センターメータの電流計が0になるようにVR2(5kΩ)の可変抵抗器を調整します。
      (6)アナログ電流計の感度スイッチを"高"に設定します。
      (7)センターメータの電流計が0になるようにVR2(5kΩ)の可変抵抗器を調整します。
      (8)アナログ電流計の感度スイッチを"低"に設定します。
      (9)直流電位差計を基準抵抗器から外します。
      (10)直流電位差計を未知抵抗器(Rx)の両端に接続します。
      (11)センターメータの電流計が0になるようにケルビンバーレーポテンショメーター(VR1)を設定します。
      (12)アナログ電流計の感度スイッチを"高"に設定します。
      (13)センターメータの電流計が0になるようにケルビンバーレーポテンショメーター(VR1)を設定します。
      (14)その時のケルビンバーレーポテンショメーターの設定を記録します。
      (15)アナログ電流計の感度スイッチを"低"に設定します。
      (16)直流電位差計を基準抵抗器から外します。
      (17)未知抵抗器(Rx)と基準抵抗器(Rs)を交換します。

      (18)(3)から(17)の手順を繰り返します。

  4. 実験機材

    1. ケルビンバーレーポテンショメーター
    2. 可動コイル型直流電流計(±100μA センターメータ)
      標準電圧発生器のセンターメータを使用します。
    3. 可変抵抗器(5kΩB)
    4. 精密抵抗器
    5. P型カーボン抵抗(1/4W、誤差5%):
      47Ω、470Ω、4.7kΩ、47kΩ、470kΩ 各1本
    6. 乾電池(6V, 3V)

  5. 実験結果

    1. Rxの計算式
      実験手順(14)におけるケルビンバーレーポテンショメーターの読みをVR1とすると
      Rs : Rx = 5000 : VR1

      Rx = VR1/5000 * Rs

    2. 測定結果
      Rx公称値[Ω]Rs[Ω]VR1設定値Rx計算値[Ω]公称値からの偏差[%]
      47100236147.220.5
      4701k2350470.00
      4.7k10k23404.68k-0.4
      47k100k234046.8-0.4
      470k1M25105026.8

  6. 考察

    1. P型カーボン抵抗(誤差5%)の誤差は実力1%以内の誤差であることが判りました。
      (もちろん、保証はされていない)

    2. 470kΩのカーボン抵抗の誤差が6.8%となり、誤差が5%を超えているように見えました。
      これは、カーボン抵抗の誤差によるものではなく、直流電位差計の感度不足
      によるものと考えられます。
      (実際、ディジタルテスターで測定すると、479kΩ(誤差:1.9%だった)
      RxとRsの値が大きくなると、測定電流が小さくなることによりセンタメータの振れも
      小さくなるため、ケルビンバーレーポテンショメータの設定を変えても、
      どこでセンターメータが平衡しているのか判りづらくなるため正確な測定が
      難しくなると考えられます。

  7. 参考文献

    なし。
  8. 関連項目

    1. 直流電位差計の原理
    2. ケルビンバーレーポテンショメーター
    3. 可動コイル型直流電流計(±100μA センターメータ)
      標準電圧発生器のセンターメータを使用します。
    4. 可変抵抗器(5kΩB)
    5. 精密抵抗器
  9. おまけ

    実験中の様子。



JH8CHUのホームページ>電気計測実験 >直流電位差計による電気抵抗測定


Copyright (C)2019 Masahiro.Matsuda(JH8CHU), all rights reserved.