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読書備忘録 【幻想としての文明】


作成開始(2025/05/02)

  1. 書名

  2. 書名著者出版社発行年購入備考
    幻想としての文明 栗本慎一郎 講談社 1990年 第2刷 1991年    

  3. 全体的なメモ

  4. 本書は文明論であるが、その中心的主張は、文明には旋律があり、法則に支配されている
    ということである。また、単なる文明論にとどまらず、文明の旋律は生命論、宇宙論とも
    つながっているとの壮大な視点(ではあるが、カール・ポランニーの経済人類学から始まる
    「実在主義」の視点からはある意味当然な視点)から人類史の文明全体をとらえている点が
    他の文明論との大きな違いである。それ故、読み応え十分な一冊である。

    第三章は「社会主義崩壊の理由」とのタイトルだが、前半は哲学、後半は宗教の話になる。
    それはキリスト教の世界観がヘーゲルに流れ込んでいくプロセスが存在していることや、
    一方で、キリスト教からは異端とされ、しかしキリスト教とは異なり自発性を求められるため
    大衆からは次第に支持を失い消えていったマニ教やジャイナ教の分析にまで至る。

    第四章は政治の役割、第五章は現代社会への言及となっている。これらの指摘も含め、
    全体も栗本氏の処女作であり原論とも言える「経済人類学」から「ブダペスト物語」までの
    一連の著作が分析のよりどころとなっていると思われる。
    (2025/05/02)
  5. 目次・参考文献・キーワードなど

  6. タイトルキーワード・メモ・感想等参考文献  備考  
    1 二十世紀の地球




    ・ミルトン・フリードマン(P-30)
    本当はマルクスの今日における失敗は、
    ヘーゲルの失敗である。(P-55)
    哲学は、机上の空論にとどまらず、
    大きな現実的影響を持ったのである。
    (P-55)
    「大衆」運動というのは、歴史的には
    つねに、あきらかな少数派の運動
    である。(P-59)
    社会主義が市場原理を取り入れることは
    これからじゅうぶん、考えられる。
    (P64)
    政治的な意味における社会主義とは、
    実は覇権主義のことだ。(P-65)
    パンツをはいたサル
    傍観者の時代
    ブダペスト物語
    群衆と権力
    (エリアス・カネッティ)














    大国の興亡
    (ポール・ケネディ)
    ニッポンの終焉



















    (*1)
    2 文明の興亡と旋律
    徹底的に私的にのめりこむことによって、
    共通の何物かを発見できる。(P94)









    あるお茶の名器ならお茶の名器が一国の
    財産に値するという評価が下される
    ようなことは、統合的市場がなければ
    起きはしなかった。(P-161)
    ・中における「外部」(P-165)
    パンツを捨てるサル


    ニッポンの終焉
    太陽活動と景気
     (嶋中雄二)
    太陽が変わる景気が動く
    (桜井邦朋、嶋中雄二)
    幻想としての経済
    人間の経済
    経済の文明史
    経済人類学




    都市は発狂する
    パンツを捨てるサル
    討論二千年の埋葬
    (田原総一朗、栗本慎一郎)
    太平洋戦争とは
     何だったのか
    (クリストファー・ソーン)
    歴史の研究
    (アーノルド・J・トインビー)
    大国の興亡
    (ポール・ケネディ)
    西洋の没落
    (シュペングラー)
    朝の影の中に
    (ヨハン・ホイジンガ)
    文明論(根岸卓郎)























    (*2)

    (*1)
    3 社会主義崩壊の理由
    近代社会は、一元主義を好み、
    受動的なる思考を好んだ。
    一方で、理性の目覚めや精神の自立を
    うたいながら、実は他方で思考の
    パターン化を要求していたということ
    もできる。(P-228〜9)
    経済の文明史
    4 政府の限界と政治の
    役割の大転換

    政府の活動は、(中略)目的ひとつに
    集中すれば、一応の成功はするが、
    (中略)その政府活動が独占状態でないと、
    成功にいたらない。(P-263)
    メディア・セックス




    ニッポンの終焉
    5 次の地球の発火点 人はどの地域に住んでいるかではなくて、
    どのような集団に属しているのか
    によって、得る情報に決定的な違いを持ち、
    したがって、まったく違った
    行動をとることになって当然なのである。
    (P-305)






    ニッポンの終焉
    6
    参考文献は本書記載の全てではなく、かつ同じとは限らない。
    ★印は特に重要な文献
  7. 参考・注記


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