JH8CHUのホームページ>発振回路の設計
>CR移相発振回路の設計>CR移相発振回路の発振周波数
CR移相発振回路の発振周波数
一応完成[式のチェックがいまいち?](2014/05/05)
目的
CR移相発振回路の発振周波数:fが
f = 1/(2π√6 CR)
で与えられ、増幅器に要求される増幅度Aが
A = -29
となる理由を計算により求めます。
計算にあたって、行列式などの高級な(?)テクニックは使用しないで、
(私にはよくわからないので・・・・。(^o^ゞ )
交流理論とキルヒホッフの法則だけで、力づくで計算を試みます。
原理図
CR移相発振回路を解析するための原理図を下記に示します。

本図において簡単化のために下記を仮定しています。
(1)移相回路の3個のコンデンサCと3個の抵抗は必ずしも同じ値でなくてもよいのですが、
ここでは、計算を簡単にするために同じ値としています。
(2)増幅回路の入力インピーダンスZiは無限大、出力インピーダンスは0です。
また、増幅度はAとします。
計算
回路図の中で(A)点、(B)点、(C)点の電圧をそれぞれVa、Vb、Viとします。
また増幅器の出力電圧をVoとします。
(A)点、(B)点、(C)点のそれぞれにキルヒホッフの電流法則を適用します。
(A)点:
(Vo - Va) * jωC - Va/R + (Vb - Va) * jωC = 0 ………@
(B)点:
(Va - Vb) * jωC - Vb/R + (Vi - Vb) * jωC = 0 ………A
(C)点:
(Vb - Vi) * jωC - Vi/R = 0 …………………………B
また、増幅器の増幅度をAとしたので
Vo = A * Vi …………………………C
が成り立ちます。
@の各項にRをかけて、分母を払います。
(Vo - Va) * jωCR - Va + (Vb - Va) * jωCR = 0
Va、Vb、Voについて整理します。
-(1 + j 2ωCR) * Va + jωCR * Vb + jωCR * Vo = 0
C式を代入してVoを消去します。
-(1 + j 2ωCR) * Va + jωCR * Vb + jωCR * A * Vi = 0 ………D
Aの各項にRをかけて、分母を払います。
(Va - Vb) * jωCR - Vb + (Vi - Vb) * jωCR = 0
Va、Vb、Viについて整理します。
jωCR * Va -(1 + j 2ωCR) * Vb + + jωCR * Vi = 0 ………E
Bの各項にRをかけて、分母を払います。
(Vb - Vi) * jωCR - Vi = 0
Vb、Viについて整理します。
jωCR * Vb -(1 + j ωCR) * Vi = 0
この式は、あとでVbの消去に使うので、第2項を右辺に移項し、Vb=の形に変形します。
Vb = (1 + j ωCR) * Vi / jωCR ………F
ここからやや計算が面倒です。方針は、まずD、E式からVaを消去して、VbとViの式に
します。そうすると、F式もVbとViの式なのでVbが消去出来ます。
Vaを消去するためにD×jωCR と E×(1 + j 2ωCR)を計算し、辺々足します。
(jωCR)2 * Vb + (jωCR)2 * A * Vi
- (1 + j 2ωCR)2 * Vb + jωCR * (1 + j 2ωCR) * Vi = 0
j2 = -1であることを考慮しながら2乗の項を展開します。
-(ωCR)2 * Vb + -(ωCR)2 * A * Vi
- {1 + j 4ωCR - 4(ωCR)2} * Vb + {jωCR - 2(ωCR)2} * Vi = 0
VbとViの項について整理します。
{ 3(ωCR)2 - 1 - j 4(ωCR)} * Vb
+ { -(ωCR)2 * A + jωCR - 2(ωCR)2 } * Vi = 0
この式にF式を代入してVbを消去します。
{ 3(ωCR)2 - 1 - j 4(ωCR)} * (1 + jωCR) * Vi / jωCR
+ { -(ωCR)2 * A + jωCR - 2(ωCR)2 } * Vi = 0
各項にjωCRをかけて分母を払います。また、各項にViが共通に含まれるためViで割ると
Viが消えます。(ちょっと意外?)
{ 3(ωCR)2 - 1 - j 4(ωCR)} * (1 + jωCR)
+ jωCR * { -(ωCR)2 * A + jωCR - 2(ωCR)2 } = 0
括弧を外すために式を展開します。
3(ωCR)2 - 1 - j 4(ωCR)
+ j 3(ωCR)3
- jωCR + 4(ωCR)2
-j (ωCR)3 * A - (ωCR)2
- j 2(ωCR)3 = 0
虚数部と実数部とで纏めます。
このとき、同類項もひとつに纏めます。
6(ωCR)2 - 1
+ j {-5(ωCR)
+ (ωCR)3 + (ωCR)3 * A } = 0
この式が恒等的に成り立つためには、左辺の実部、虚部がそれぞれ0でなければならないため、
6(ωCR)2 - 1 = 0 ………………G
-5(ωCR) + (ωCR)3 + (ωCR)3 * A = 0 ………H
まず、G式をωの式に変形します。
(ωCR)2 = 1/6
ωCR = 1/(√6)
∴ω = 1/{(√6) * CR }
ω=2πfなので
f = 1/{2π(√6) * CR }
ようやく目的の式にたどり着きました。(^_^;;
つづいて、H式を変形します。まず、(ωCR)が共通因数なので各項を(ωCR)で割ります。
-5 + (ωCR)2 + (ωCR)2 * A = 0 ………H
増幅度Aの式に変形します。
A = {(ωCR)2 - 5}/(ωCR)2
ここで、Gの式よりωCR = 1/(√6)でしたので、この式に代入すると
A = (1/6 - 5)/(1/6) = (1 - 30)/1
∴A = -29
となります。符号のマイナスは移相が180度反転することを表し、増幅器の増幅度|A|は
29倍必要であることが判ります。
関連項目
- 電気回路〜交流理論
- キルヒホッフの法則
JH8CHUのホームページ>発振回路の設計
>CR移相発振回路の設計>CR移相発振回路の発振周波数
Copyright (C)2014 Masahiro.Matsuda(JH8CHU), all rights reserved.