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ダイオードの基本特性の測定実験
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発光ダイオード(LED)の静特性の測定(直流電位差計による)
本ページ作成。(2020/03/03)
実験の目的
発光ダイオード(LED)の順方向静特性を測定し、小信号ダイオードとの違いを考察する。
また、順方向に電流を流すことによりLEDが点灯することを確認する。
実験課題
発光ダイオード(LED)に順方向電圧をかけ、流れる電流と電圧を測定し、
測定結果をグラフに書き、小信号ダイオードとの特性の違いを考察する。
- 発光ダイオード::型式不明品(赤)
発光ダイオードの静特性
発光ダイオード(LED)はPN接合に対し、P型に+、N型に−の電圧をかけたときを
順方向電圧と呼び、発光ダイオード両端の電圧-電流の特性は非線形な特性となります。

発光ダイオードの特性をグラフで表すと下記のようになります。

このグラフを数式で表現すると下記となります。
ID = Io * [ exp {q/(kT) * VD } - 1 ]
式の形としては小信号用ダイオードと同じになりますが、
順方向電圧は小信号ダイオードより大きくなります。
実験回路
- 実験回路全体

- 直流電位差計詳細

実験方法
発光ダイオード(LED)の順方向電流は、逆方向電圧をわずかに変えただけでも
大きく変化します。このため、順方向電圧の測定には、
分解能のある測定器を使用する必要があります。
近年はディジタル・テスターが安価かつ容易に手に入りますが、
本実験では直流電位差計を使用します。
発光ダイオード両端の電圧を直接測定するために、電圧計と電流計の接続としては、
AV法により測定を行います。
逆に、VA法を使用すると、電流計の両端に発生する電圧が発光ダイオードの順方向電圧の
測定値に対して大きな誤差を発生させます。

電流計については、測定範囲に合わせて、測定電流が50μAより小さいときは、
アナログ直流電流計(50μA)を使用し、50μAを超える範囲ではアナログ・テスター
を使用します。 以下に測定手順を示します。
- 回路図を組立ます。電源はまだ接続しません。
100μAセンターメータは標準電圧発生器に接続します。
- 標準電圧発生器の感度スイッチを"低"に設定します。
- ケルビンバーレーポテンショメーターのロータリスイッチを"4096"に設定します。
- 12V電源を接続し、標準電圧発生器の電源をONにします。
- 100μAセンターメータが0になるように2kΩ可変抵抗器を調整します。
- 標準電圧発生器の感度スイッチを"高"に設定します。
- 100μAセンターメータが0になるように2kΩ可変抵抗器を調整します。
- 標準電圧発生器の感度スイッチを"低"に設定し、標準電圧発生器との接続を外します。
この段階では直流電位差計は発光ダイオードに接続しません。
発光ダイオードに流れる電流が小さいときに平衡のとれていない直流電位差計を
発光ダイオードに接続すると、直流電位差計から発光ダイオードに電流が流れ込むからです。
(電位差計の平衡をとろうとすると、発光ダイオードの電流が変化します。)
- 発光ダイオードに電流を流す3V電源を接続します。
- 5kΩの可変抵抗器を調整して、発光ダイオードに測定電流が流れるようにします。
- 直流電位差計を発光ダイオードに接続します。
発光ダイオードに流れる電流が変化するかもしれませんが、5kΩの可変抵抗器の設定は
この段階では変えません。
- ケルビンバーレーポテンショメーターのロータリスイッチを調整して
100μAセンターメータが0になるようします。
- 感度スイッチを"低"から"高"に切り換え、再度100μAセンターメータが
0になるようします。
- この時点で、発光ダイオードの電流が測定値からずれていれば5kΩの
可変抵抗器を調整します。
- 必要ならセンタメータの0と、発光ダイオードの電流を交互に調整します。
- 調整が完了したらケルビンバーレーポテンショメーターのロータリスイッチの
値を読み取ります。今回は、0.01〜0.0001の設定がそのまま発光ダイオード両端の
電圧となります。
- センタメーターの感度スイッチを"低"に切り換えます。
- 直流電位差計を発光ダイオードから切り離します。
以下、10〜18を繰り返して測定を続けます。
実験機材
- 発光ダイオード(LED):型式不明品(赤)

- ケルビンバーレーポテンショメーター
- 標準電圧発生器
- アナログ直流電流計(50μA)
- 可変抵抗器(5kΩB)
- 可変抵抗器(2kΩB)
- 固定抵抗器(47Ω)
- アナログ・テスター
- 乾電池(12V, 3V)
実験結果
- 測定データ

考察
概ね、3mA以上の電流を流すと明らかに発光していることが確認出来ましたが、
明るく感じるためには5mA以上電流を流す必要がありました。
また、3mA以上の電流を流したときの順方向電圧は1.9V〜2.0V程度でした。
小信号用シリコン・ダイオード
の順方向電圧は、0.6V〜0.7Vであったことから
発光ダイオード(LED)の順方向電圧の方が大きいことが判ります。
今後の課題
参考文献
関連項目
- 直流電位差計の原理
- ケルビンバーレーポテンショメーター
- 標準電圧発生器
- AV法
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