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読書備忘録 【こころの構造】


作成開始(2023/09/20)

  1. 書名

  2. 書名著者出版社発行年購入備考
    こころの構造 C.G.ユング 日本教文社社 平成元年(1989) 改装19版 1990年代    

  3. 全体的なメモ

  4. 冒頭から旧漢字てんこ盛りの文献に見えるが、同じ漢字が何度も繰り返し出てくるので
    とりあえず第T章くらいまで読めれば、その後はそれほど苦労しないで読み進められる。
    T、U、V、XU章は講演録を文章化したものなので、口語調で表面的には比較的易しい文章だ。
    X章のユリシーズは小説の内容の批判で、精神分析学的な見地からの視点にせよ
    わざわざこんな長い論文にする必要があるのかな?との印象を持った。

    本書を読んで目から鱗だったのは、「こころ」というのは大部分が無意識であり、
    「こころ」のほんの一部のみが意識になっていると、ユングが考えていたらしいということだ。
    言われてみるとその方が全然自然な考え方だと思う。
    ではどのように無意識を研究するかだが、夢や宗教の研究はそのほんのとっかかりに過ぎず、
    まだまだ多くの課題があるように思う。
    (2023/9/20)
  5. 目次・参考文献・キーワードなど

  6. タイトルキーワード・メモ・感想等参考文献  備考  
    1 現代心理学の根本問題 意識は無意識の心よりあとから
    生まれた子孫であります。(中略)
    無意識を意識に因果的に依存して
    いるとみなすのも、私はまちがって
    いると思うのであります。
    むしろ、その逆のやり方が、
    ただしいのではないかと思われ
    ます。(P-26)

    2 心理学の現代的意義

    夢は全然未知の対象のように
    あつかうのがよいのです。
    (P-69)
    ファウスト
    (ゲーテ)
    3 夢分析の実用性 無意識が意識に現れた特殊な形が
    夢なのです。(P-96)
    一切の相似物の、したがって
    また性欲の、根底にあるものは、
    規定しがたい性格をもつ神話
    類型的形象であります。
    これにいちばん近いのは、
    おそらくは未開人のもつマナ象徴
    でありましょう。(P112-3)
    4 文化史的現象としての
    ジークムント・フロイト
    5 ユリシーズ ユリシーズ
    (ジェイムズ・ジョイス)
    ツァラトゥーストラ
    (ニーチェ)
    ファウスト
    (ゲーテ)
    (*1)
    6 ピカソ論
    7 人格の形成について 美的教育に関する書簡
    (フリードリヒ・シラー)
    (*2)
    8 魂と死 諸宗教は決して意識的な考案から
    生まれたものではなくて、無意識な
    魂の自然生活の中から生まれた
    もので、これを何らかの形で
    適当に表現するものだ。(P-236)
    参考文献は本書記載の全てではなく、かつ同じとは限らない。
    ★印は特に重要な文献
  7. 参考・注記


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