JH8CHUのホームページ>ラジオ・無線機>ゲルマニウム・ラジオ

ゲルマニウム・ラジオ


全体回路図、外観写真掲載(2008/12/21)
同調回路と検波回路について記述(2012/12/15)

  1. 外観



  2. 全体回路図



  3. 同調回路

      同調回路とアンテナの組み合わせに関するバリエーションです。
    1. 回路構成
        構成1(今回採用)構成2構成3

        (構成1)今回製作したラジオで採用した方式です。
         コイルの1次側/2次側が別れていないのでシンプルで作りやすいですが
         欠点は、アンテナ(ANT)やアース(E)を接続したとき
         同調回路の周波数がずれてしまうことです。
         最初はアンテナやアースの効果を確認するために付けたり
         外したりするこが多いのですが、放送が聞こえなくなると
         同調がずれたためか、アンテナやアースがよくないためかを
         比較判断するのが難しいです。
        (構成2)ゲルマニウム・ラジオとしては一番多い構成だと思います。
         アンテナとアースを同調回路のあるL2側ではなくL1側に接続するため
         同調周波数はアンテナやアースの影響を受けずらいと思われます。
         問題はコイルを自作する場合、L1側の定数をどのように決定するかです。
         今回は採用を見送りましたが、いつか再検討したいと思います。
        (構成3)ゲルマニウム・ラジオでは見かけませんが、携帯トランジスタ・ラジオ
         などで見かける方式で、通常、外部アンテナを接続せず、バーアンテナ
         を用いる方式です。同調回路はL1側で、L2側は初段のトランジスタと
         インピーダンス・マッチングが取りやすいように決めらます。
    2. 共振周波数

  4. バリコンの容量測定

    同調回路は一種の共振回路なので、コンデンサの静電容量をC、
    コイルのインダクタンスをL、共振周波数をfとすれば、

    f = 1/{2*π*√(LC)}

    となります。
    コイルを自作するためには、Lをいくらにするか決定しなければなりません。
    fとしては、中波放送の周波数帯となるので、だいたい630kHz〜1600kHzです。
    あとは、Cの可変範囲を知る必要があります。
    今回使用するポリ・バリコンは秋葉原などではまだ見かけますので
    とりあえず一個買ってきたのですが、静電容量の可変範囲が判りません。
    そこで、ACブリッジを使用して 実測してみることにしました。
    結果は、11pF〜265pFでした。

  5. ソレノイド・コイルの製作

    1. インダクタンスの決定
      上記の式を変形すると、

      L = 1/{(2*π*f)2 * C}

      となりますから、この式から必要なLが求められます。

      浮遊容量を10pFと見込み、バリコンの容量が最小:21pFのとき
      最も高い周波数1600kHzに同調するとすれば、
      L =
      また、バリコンの容量が最大:275pFのとき
      最も低い周波数530kHzに同調するとすれば、
      L =
      以上の計算より、必要なインダクタンスを計算すると、だいたい
      L = 320〜350[μH]
      となるようです。
      ちなみに、手元にあったバー・アンテナのインダクタンスは
      公称値330±20[μH]でした。
      以上より、今回製作するコイルのインダクタンスは350[μH]とすることに します。

    2. コイルの設計
      トランジスタ・ラジオ用のバー・アンテナは今でも入手可能ですが、
      今回は、ラップの芯を使って自作しました。
      問題は、コイルの巻き数の決定です。
      電磁気学によりますと、ソレノイド・コイルのインダクタンスL[H]は
      次の式で求められます。

      L = k * 4 * π2 * μ * a2 * N2 * 10-7 / l

      ここに、
      k:長岡係数
      μ:比透磁率
      a:コイルの半径[m]
      N:コイルの巻数[回]
      l(小文字のエル):コイルの長さ[m]

      この式によれば、巻数Nを変えると、Nとlとkが同時に変化しますので、
      NからLを求めるのはなかなか面倒な式に見えます。
      しかし、世の中には親切な人がいるもので、上記の式の数値を放り込むと
      Lを計算してくれるスクリプトをインターネットで公開している人がいます。
      只なので遠慮なく使用させてもらい、Nをいろいろ変化させて計算してみると
      ラップの芯の直径が36mm、線径が0.3mmの場合、だいたい115回くらいで
      350μHになるようです。
      なお、ソレノイド・コイルは密巻しても、手で巻くと多少幅(長さ)が
      長くなるので実際のインダクタンスは多少小さくなるようなので、
      実際、コイルを製作する際は少し巻き数を多くして120回としました。

    3. コイルの製作
      コイルの巻線は、0.3φのポリウレタン銅線を使用しました。
      まあ、エナメル線とか表面が絶縁させていればなんでもよいです。
      百数十回もコイルを巻いていると、途中で線がからまるので、
      セロテープなどで巻線を仮止めしながら、からまないようによりを
      戻しつつ慎重に巻きます。

    4. コイルのインダクタンス測定
      製作したコイルのインダクタンスを確認するために 交流ブリッジを使用して
      測定してみたところ***[μH]となりました。

  6. 検波回路


  7. 部品

    1. ポリ・バリコン


    2. コイル
    3. ダイオード
       ラジオの検波器として定番だった1N60または相当品はとっくの昔に製造中止で
       以前に比べると見かけることは少なくなったと思いますが、
       まだまだ、市場には残っているので、ラジオの部品を扱っているところなら
       入手は難しくないと思います。
       ここは、ゲルマニウム・ダイオードと順方向電圧が0.3V位で小さく、
       入手も容易なシリコン・ショットキー・ダイオードで代替え出来ますが
       お勧め型番は、今のところありません。(^^;
    4. クリスタル・イヤホン
    5. ケース

  8. 電灯線アンテナ

  9. アースの考察

  10. 今後の課題

  11. 参考文献

    (1)


JH8CHUのホームページ>ラジオ・無線機>ゲルマニウム・ラジオ


Copyright (C)2008,2012 Masahiro.Matsuda(JH8CHU), all rights reserved.