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小信号用ダイオードの静特性の測定


本ページ作成。(2014/09/15)
  1. 実験の目的

    ダイオードの順方向静特性を測定し、その特性が指数関数で
    近似出来ることを確認する。

  2. 実験課題

    ダイオードに順方向電圧をかけ、流れる電流と電圧を測定し、測定結果を
    グラフに書き、特性が指数関数で近似出来ることを確認する。

    1. シリコン・ダイオード:1S1588
    2. シリコン・ダイオード:1N4007

  3. ダイオードの静特性

    (接合型)ダイオードはPN接合に対し、N型に+、P型に−の電圧をかけたときを
    逆方向電圧と呼び電流が流れません。また、順方向の電圧をかけたときは電流が
    流れますが、ダイオード両端の電圧-電流の特性は非線形な特性となります。


    ダイオードの特性をグラフで表すと下記のようになります。


    このグラフを数式で表現すると下記となります。
    ID = Io * [ exp {q/(kT) * VD } - 1 ]

    常温においてはexp {q/(kT) * VD } >> 1
    なので、
    ID = Io * exp {q/(kT) * VD }

    と近似出来ますが、この式は指数関数です。両辺の対数をとると、
    log(ID) = log[Io * exp {q/(kT) * VD }]
        = log(Io) + log[exp {q/(kT) * VD }]
        = I' + q/(kT) * VD

    この式はI'は定数なので VDに関する一次式です。
    よって、直線となります。

  4. 実験回路



  5. 実験方法

  6. 実験機材

    1. ダイオード:1S1588


    2. ダイオード:1N4007


    3. アナログ直流電流計(50μA)
    4. 可変抵抗器(5kΩB)
    5. 固定抵抗器(150Ω)
    6. アナログ・テスター
    7. ディジタル・テスター
    8. 乾電池

  7. 実験結果

    1. 測定データ


    2. 1項データのグラフ
      電流をおよそ2mA以上流すと、ダイオード両端の電圧は0.6〜0.7Vで
      ほぼ一定となりました。


    3. 測定データ(縦軸:IDの対数を取ったもの)


    4. 3項データのグラフ
      電流IDの対数をとってグラフを描くと、ほぼ直線となりました。
      赤線は直線です。


  8. 考察

    ダイオードの特性は指数関数となることが確認できました。
    従って、電流がある程度大きい(2mA以上)ときは両端の電圧は0.6〜0.7Vにて
    あまり変化がなくなりますが、電流が小さくなると0.6〜0.7Vより低くなることが
    判りました。

  9. 今後の課題


  10. 参考文献


  11. 関連項目

    1. 直流計器
    2. AV法

  12. 実験の様子

    1. 実験中の配線(いつものように雑然・・・)


    2. 測定中のダイオード




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