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コラム(2) 測定器を自作する(したい?)話




昔から疑問に思っていることがあります。
例えば、1GHzの帯域を持つ増幅器の波形を観測すると仮定します。
そこで、帯域2GHzのオシロスコープを利用することが出来た、とします。
ところで、オシロスコープの入力には
増幅器があると思いますが、当然、帯域2GHzのオシロスコープなら
帯域2GHzの増幅器が内部にあるのでしょう。
ところで、測定器メーカーの人は、どうやって自社の測定器の性能を
確認しているのでしょうか・・・・?
もし、帯域2GHzのオシロスコープが最高性能の測定器なら、
それを測定出来るより高性能な測定器は、ないはずなのですが・・・。
(もちろん、より高性能な他社測定器をレンタルする、のは
この疑問に対する、解決になりません・・・・) (^_^;

以前、RFワールドとゆう雑誌のNo.5に、次のようなコラムが載りました。
(著者は、測定器メーカー大手の、アジレント・テクノロジーで仕事をした人らしい)

***** 引用、ここから ******
測定器を作る側からすると、高性能な測定器を作ることは、矛盾に満ちた
ものなのです。
(中略)
測定器対象よりも測定器の方ほうが高精度であることを使う人たちは当然と
考えています。しかし、同じ技術に立脚しているのに、測定器だけが
高い精度を持つことは可能なのでしょうか。?
いや、厳密には同じ技術に立脚しているわけではありません。
(中略)
測定器で使用可能な半導体は、測定対象よりも数世代古いものなのです。
「古い半導体で作った測定器で、最新の素子を測る」ことが現実に
起きているのですが、半導体の技術進歩に逆行するような、矛盾に満ちた
話だと思いませんか。
(中略)
この、矛盾に対する答えを見つけ出すことこそが、電子計測器を理解する上で、
もっとも重要でかつ面白いのだと、私は考えています。
***** 引用、ここまで ******

具体的にどのようにするかは、記述されていませんが、それは測定器によって
違うでことでしょうし、紙面の都合や企業秘密などのノウハウもあるでしょうが、
やはり、工夫によって克服しているのだと想像します。


さて、ここから急に話のレベルが下がります。(^^;

電子工作で遊んでいると、いろいろと測定器が欲しくなります。
最初は、もちろんテスターです。その次は、発振器とオシロスコープでしょうか。
そして、安定化電源、周波数カウンター、歪率計、・・・etc.
その後は、例えば、高周波なら、更に、終端型電力計、SWR計、
ステップ・アッテネータ、スペアナ、ネットワーク・アナライザ・・・etc.

欲しいものを考えると、福沢諭吉さんが何人居てもきりがありませんね。(^^;

ところで、電子工作を趣味にしている人の中には、いろいろ回路をつっつき回して
いるうちに、測定器そのものも、自分で製作してみたい、とゆうような
邪道な方向(?)へ興味が向いてしまう人もいるようです。
そうなったら、さあ、たいへん。
測定器を作るための測定器をまず作ろうとか、
「測定器を作るための測定器」を作るための測定器をまず作ろう・・・とか、
そもそも校正はどうやってやるのか、とか
結局、出口が見つけられずに精神を病んでしまうかもしれません・・・???

(ちなみに、私はやや発病ぎみです) (^^;

(2014/05/10記)


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