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5球スーパーの組み立て


本ページ製作(2008/08/16)
  1. 概要

    真空管ラジオのキットを購入しました。
    本当は、部品集めからやりたかったのですが、
    中間周波トランス(IFT)の入手が難しいとか
    忙しくて秋葉原に行ってる暇がない (^_^;
    とかあるため、この際キットを購入することにしました。

    下の写真の手前側左端のST管は、このキットの付属ではなく、
    今回おまけにもらったマジック・アイ(同調指示管)です。
    (実は、これも欲しかったのです・・・・) (^^;


  2. 部品の取り付け

    このキットに添付されてくるドキュメントは、
    「部品一覧表」と「推奨回路図」だけですが、
    発売元のホーム・ページには、製作事例の掲載がありますし、
    このキットの存在を知る切っ掛けとなった、誠文堂新光社の
    「真空管ラジオ製作ガイド」とゆう参考書もあるので、
    事実上、支障はありません。

    まず、主要部品のアルミシャーシへの取り付けですが、
    シャーシと部品を見比べながら、取り付け手順を考えていたところ、
    シャーシにLラグ板の取り付け穴が足りていないように見えます。
    ま、それくらいは、自分で考えて加工しろ、とゆうことなのでしょう。

    とりあえず、CR類の配置と配線ルートをざっくりと紙に書いて検討し、
    ラグ板が3〜4ヶ所程度必要と判明したところで、
    具体的な穴位置は、現物合わせで追加加工することにしました。
    (仕事でないので、aboutに作業が進められます・・・・) (^_^;

    とりあえず、平滑用コンデンサの取り付け用として、
    トランスの隣にφ3.2の穴を1個追加しました。
    平滑用コンデンサはブロック型の入手が難しいようで、
    今回のキットでは立型となっていますので、
    これらの部品の取り付けるためのラグ板です。

    さて、部品の取り付けを進めていき、いよいよ電源トランスの取り付けに
    なったとき、恐るべき(?)事態が判明しました。
    なんと、トランスの取り付け穴の寸法がシャーシ側とまるで合いません。
    しかも、トランスの取り付け穴は、M4×5のダエン穴で、付属のM3のネジでは
    ナットが抜け落ちてしまいます(!)。

    まあ、部品の入手性の問題とか、「予告無く製品の改良を行うことがある」とか、
    いうことなのでしょう。もちろん、この程度のことでは私は全然くじけません。(^_^;
    穴が合わなければ、追加しましすし、ネジが足りなければ調達するまでです。


  3. 電源回路の配線

    まずは、アース母線の配線。次に電源トランス一次側の配線。
    さて、二次側の配線を始めたところ、おかしなことに気付きました。
    回路図では、トランス二次側の高圧は、
    250V-0-250Vの中点タップ付ですが
    実物は、0V-220V-250Vとなっています。
    これでは、せっかく整流管が双二極管で
    両波整流仕様であるにもかかわず、
    実際には、半波整流しか出来ません。(ガ〜ン!)

    こと、ここに至って、ようやくにぶい私も、
    「こりぁ、電源トランス間違って送ってきたな」
    と思い始めました。しかし、時すでに遅し。
    初期不良の部品交換は、キット到着後一週間ですし、
    電源トランスのような重量物を宅急便で送り返すのも
    気が滅入ります。
    よし、この際、半波整流仕様で組み立ててしまおう!
    (リップルが倍になるかも・・・・)
    うう、仕様変更だなんて、なんだか、作業の進め方が、
    仕事と同じにようになってきてしまった。(シクシク)


    と、まあ、紆余曲折はありましたが、
    電源回路の配線が終わりましたので、数回配線チェックし、
    その後、まずは整流管のみさして、
    スイッチお〜〜ん!

    ヒューズは飛びません。(^^;
    ヒータが赤く灯りました。(ワクワク)
    無負荷状態ですが、平滑回路の出力電圧をテスタで計ると、
    DC340V位出てますので、正常動作しているようです。


  4. 低周波回路の配線

    配線を完了し、動作確認のため真空管を差込こもうとしたとき、
    またまた意外なことに気付きました。
    電力増幅管が、回路図では6AQ5ですが、実物は6AK6です。
    ま、どちらも電力増幅管だからいいか(と思ったのが敗因ですが)。
    スピーカーをつなぎ、音量ボリュームを絞ってから、電源ON。
    スピーカーからかすかなハム音(50Hzのノイズ)が出る・・・・
    ・・・・はずが出ません・・・・・・・????

    真空管の各電極の電圧をチェックすると、
    6AK6の第1グリッド(と思っていたが、実はカソード)の
    電圧が200V以上あります!???
    (正常なら、0V付近のはず。)
    配線をチェックしましたが回路図通りの配線です。

    しばらく考えた後・・・・・・・・!!

    まさか!と思い、6AK6の資料を探し出し、
    6AQ5とピン接続を比較すると・・・・・ガーン。
    6AQ5と6AK6とでは、第1、第3グリッド、そしてカソードのピン接続が
    異なります!
    あ〜、またダマサレました。
    推奨回路図と異なる部品を送ってくるキット屋さんが悪いのか、
    それとも、6AQ5と6AK6は同じピン接続だろうと思い込んだ私が悪いのか・・・・。(T_T)

    と、どうにか原因が判明し、配線を修正して、再度電源ON。
    テストのためCDラジカセの出力を音量ボリュームに接続すると、
    無事スピーカーが鳴り出しました。
    よかった、よかった。
    にしても、何かどっと疲れました・・・・・。


  5. 中間周波増幅回路の配線

    高周波回路になるので(といっても455kHz)、配線は
    最短になるように配慮します。

    さて、配線は完了しましたが、中間周波増幅回路を単独で調整するためには
    通常SSG(Standard Signal Generator: 標準信号発生器)などの
    455kHzを出力出来る発振器が必要になります。
    しかし、中間周波トランス(IFT)は疎調整済みなので、
    ラジオ全体が完成してから、実際に放送を受信しながら調整するのが
    もっとも簡単な方法です。

    今回は、手元にあった低周波発振器 を引っぱり出しましたが、
    残念ながら、170kHzくらいまでしか発振しませんでした。
    (かつての発振器の定番IC「ICL8038」を使用しています・・・・ (^_^;
    ちなみに、このICのスペック上の上限発振周波数は100kHzです。)
    しかし、矩形波を発生出来るため、3倍高調波で調整できるものと考え、
    151.7kHz(=455k/3)を発振させ、これを使用して調整してみることにしました。

    まず、発振器の出力を中間周波増幅部の入力側のトランスに
    接続します。次に、AGC電圧をテスタの直流レンジで測定しながら、
    AGC電圧が最大になるように、IFTのコア(4ヶ所)を調整します。
    (といっても、AGC電圧は、「負」なので、最小となるように調整?)
    IFTのコアは割れやすいことと、回す際には意外とキツイので、
    慎重かつ、根気良く調整します。
    発振器には数百Hz矩形波でのAM変調をかける機能もありましたので、
    スピーカの音でもある程度確認できました。

    今回、最も難しかったのは、「わりばしドライバ」(?!)の製作でした。(^_^;
    IFTのコアは六角でしたが、通常の鉄製ドライバは、
    インダクタンスが変化するため使用できません。
    手持ちの高周波用ドライバも径が合いませんでした。
    そこで、割り箸を適当にカッターで加工してドライバとして使用しました。
    先端は、六角の穴にひっかかればよいので、
    △と□とかでOKで形状は神経質になる必要はありません。


  6. 周波数変換回路の配線と調整

    配線完了し、電源を入れ、バリコンを回すと、
    茨城放送がすでに聞こえました。
    周波数カウンタで局発の発振周波数を測定し、
    バリコンの静電容量の最大で2055kHz(1600k+455k)
    となるように局発側バリコンのトリマーコンデンサを調整し、
    バリコンの静電容量の最小で985kHz(530k+455k)
    となるように、局発のコアを調整し、これらを数回繰り返しました。
    (周波数カウンタを局発に接続すると、若干周波数がずれるようなので、
    本来はSSGとかの受信周波数で調整すべきと思います)

    その後、2連バリコンのアンテナ同調回路側の
    トリマー・コンデンサを感度が最大になるよう調整しました。

    どうも、茨城放送のみやけに大音量で聞こえ、
    NHK水戸は音量が小さいです。
    バー・アンテナのコイルの位置を調整すると、
    NHK水戸もかなり大きな音になりました。
    (なんでだっけ・・・??)
    それでもやはり、茨城放送のみやや音量が大きいです。
    トラッキング調整が完全にうまくいってない可能性もあります。
    (局発の発振周波数とアンテナ同調回路の同調周波数が
    受信周波数の上側と下側で正確に455kHzの差を持っている必要がある
    この差が455kHzからずれると受信帯域の一部で感度が低下する)


  7. スピーカーBOXの製作

    今回は、半田付け以上に苦手な、木工工作に挑戦です。(^_^;

    スピーカーはアルミの板を加工して、
    ラジオの正面に取り付けるのが機能的ですが、
    それでは、せっかくの真空管が見えにくくなるので、
    木製の箱を別に用意して取り付けることにしました。

    1. 板の購入
      スピーカーの外径は、12cmなので、とりあえず、150×600×10の板を
      1枚ホームセンタで購入しました。
      まず、正面のバッフル板を150×150で取り出し、
      残りの板で上下左右の板を取り出すと、奥行き115位になります。
      後側は(板が足りないので・・・)開放としました。


    2. 板の切り出し
      相変わらず、のこぎりを真っ直ぐにひけません。(^_^;
      しかも、スピーカー穴の径が比較的小さいため(Φ105)、
      回し引きも思うように引けず、
      正面の円形の穴もややいびつになりました。(>_<)


    3. スピーカーBOXの組み立て
      板が若干反っていることもあり、板と板の面がなかなか合わず、
      釘の打ちつけの際、わずかに板がずれた状態で固定してしまいました。
      お世辞にも上手とは言えない、出来です。(>_<)

      ラジオ本体をスピーカーに接続して試聴しました。
      真空管特有の柔らかな音だと思います。

      とゆうことで、真空管ラジオ本体とスピーカ・ボックスが完成しました。



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